今回解説する怪人は『仮面ライダーセイバー』のデザストです。
「匂うな。世界と本と剣が擦れ合う、最低で最高に楽しそうな匂いだ…!」
【BGM・閲覧のお供に是非】
目次
- デザスト
- スペック
- 概要
- 外見
- 性格
- 本性
- 目的
- 出自
- 生きる意味
- 戦闘能力
- 匂い
- 初戦
- 以降の活躍
- デザストアルターライドブック
- 立体化
- 必殺技
- 関連人物
- 尾上亮/仮面ライダーバスター
- 緋道蓮/仮面ライダー剣斬
- ズオス
- ストリウス
- 仮面ライダーカリバー
- 仮面ライダーファルシオン
- 概要
- 必殺技
- 劇中の活躍
- 初登場
- 剣斬との因縁
- 解き放たれた獣
- 緑の風の道しるべ
- 令和の地獄兄弟
- 珍道中
- 世界の崩壊
- 滅びの匂い
- 激突、存在する価値
- 潰える命
- 残された刃、残した爪痕
- 外伝作品
- 『仮面ライダーセイバー スピンオフ 剣士列伝 an episode of仮面ライダースラッシュ&バスター』
- 『剣士列伝 an episode of仮面ライダー剣斬』
- 『仮面ライダーセイバー×ゴースト』
- 『仮面ライダースペクター×ブレイズ』
- 『ソードオブロゴスサーガ 後編』
- 備考
- 中の人
- 立体化
- ネタ要素
- デザさんぽ
デザスト
「強さの果てを見たくないか?」
スペック
種族:本の魔人メギド
アルターライドブック:デザスト
身長:206.4cm
体重:121kg
特色 / 力:幻獣・生物・物語の力 / 剣技
アルターライドブック:デザスト
身長:206.4cm
体重:121kg
特色 / 力:幻獣・生物・物語の力 / 剣技
概要
特撮テレビドラマ『仮面ライダーセイバー』に登場する怪人。CVは内山昂輝。本の魔人メギドの一体。幻獣「フェンリル」、生物「ハンミョウ」、物語「歌う骨」の3つの属性の力を組み合わせる事で誕生した特殊な個体。
セイバー、ブレイズ、エスパーダが変身するワンダーライドブック3冊同時使用のメギド版とも云える。15年間封印されていたが、第4章にて仮面ライダーカリバーの手でアルターライドブックが開かれたことで解き放たれ、現代に復活した。
外見
漆黒のボディで不気味な容姿をしている。両肩がフェンリルの黒い狼、全身がハンミョウの鎧のような甲殻、顔面が「歌う骨」の赤い髑髏に昆虫を組み合わせたような形状となっている。
一方で、赤いマフラーの様な物をなびかせるその姿は、ダークヒーローを思わせる雰囲気を纏っている。彼にもメギド共通の本の意匠があり、背中にカタカナの「ヨ」と「ン」を図案化したものが刻まれた本の意匠がある。
性格
一人称は「俺」。常に気怠げな言動を取り、相手が誰であろうと不遜な態度を崩さないダウナーな性格。神出鬼没であり、敵である筈の剣士達に対しても砕けた態度で自然に話しかけたりと、その真意はかなり読めない。
本性
残忍な戦闘狂。自分自身が楽しめられるのであれば、同族のメギドであろうと平気でその手にかける。好戦的な性格でライダー達との戦いを楽しんでいる。
彼に葬られた剣士は少なくない。その証拠に倒した剣士が所持していたとされるワンダーライドブックを強奪し、自らのものとしている。
15年前に誰かから略取したストームイーグルのワンダーライドブックをちらつかせる、取り返されたとしても逆に激しくなる戦いを予期しつつほくそ笑んで去る等、挑発的な態度も目立つ。
目的
デザストアルターライドブックの回収が序盤の目的。自身を封印する力を持つそれを手にして自由になるため、幹部やカリバー達に従っていた。目的を果たした後はどの勢力にも属さず気ままに行動している。その後は世界を十分に楽しむことにシフトした。
良くも悪くも自由であり、ストリウス等のように『世界を破滅させる』意図は見せていない。ただ戦闘中に「この世界を、俺好みに染めてなぁ!」とも口走っている辺り、漠然とした自由を享受するのではなく、自身の衝動に赴くままに世界を放埒したい様だ。
出自
その正体はストリウスの気紛れで生み出された戦闘生命体。その存在は彼らの作戦や計画に一切組み込まれておらず、単なる戦力以外では存在価値を見出されていない。直々に「存在する理由もなければ目的もない。意味なく生まれ意味なく消える」と言われてしまう。
そのためか、立場は一応一般メギドと同等だが、ストリウス・レジエル・ズオス達幹部への忠誠心は持っていない。メギドに関する情報を安易に漏らしたりしていた。
生きる意味
体質による影響で「死」という概念が存在せず、自分が存在し続ける事に意味を見出せていない。第42章では蓮が口にした「戦う目的とか生きる意味なんて考える必要ない。仲間もいないしな」の台詞が木霊した。「仲間とか……意味がなけりゃ生きてちゃダメなのか?」とは真剣な口調で蓮に問い掛けていた。
大義が欠けている自らの境遇への空虚さには思うところがあるらしく、他人からそれを指摘されると普段の飄々とした態度を保てなくなる。大義に乏しかったり、創造者や権力者から見捨てられた者には親しく接する。
戦闘能力
刀身部に赤い髑髏の装飾が造形された長剣「グラッジデント」を振るいつつ、身軽な動きで敵を翻弄する戦い方を得意とする。他、首元に巻いた伸縮自在の赤いマフラーで敵を捕らえて締め上げたり、打ち据える、触手のように複数増やしての攻撃も可能。
メギド共通の特性として、封印元のアルターライドブックが失われない限り、倒されても何度でも甦る。再生能力は異常でハンザキメギドを上回り、腕や脚を失っても即座に生え変わる。
たとえ爆死する程のダメージを負ってもアルターライドブックを操作する人物を介する事無く自力で瞬時に復活出来る。非常に豊富な戦闘経験が彼の最大の強み。
匂い
相対する人物の気配や気質、感知した状況等を「○○で✕✕な匂い」として形容する癖がある。封印解除の直後には剣士達への戦いへの予感に心を躍らせた。15年前にも仮面ライダースラッシュ/大秦寺哲雄や仮面ライダーバスター/尾上亮を匂いで形容している。
またその特性を生かし、仮面ライダーサーベラの煙化による変幻自在の攻撃さえも見切れる。これはデザストの特性を取り込んだメギドにも受け継がれている。
初戦
第4章では15年の加齢というハンデもあったとはいえ、ソードオブロゴスのベテラン剣士にして『最強の剣士』たる仮面ライダーバスターすらも苦戦させた。
カラミティ・ストライクでトドメを刺しにかかるが、飛羽真から託された「ジャッ君と土豆の木」のワンダーライドブックを利用したバスター・玄武ジャッ君の「大旋断」に押し返され、持っていたストームイーグルのワンダーライドブックを奪い返された。
以降の活躍
第6章ではブランクライドブックを使って剣斬を引き摺り込んで互角の戦いを繰り広げ、剣斬の事を認めるも剣斬の必殺技「疾風剣舞・回転」を受けて敗北した。
第33章では剣斬を苦も無くあしらうサーベラに不意打ちで襲い掛かり、自身も参戦。実体化の瞬間を狙い的確にダメージを与えていった。サーベラの昆虫黙々斬りから剣斬を庇い、直撃を受けて爆散するも復活する。
第42章以降は自らのアルターライドブックに負ったダメージからかグラッジデントを使用せず、無銘剣虚無のみで戦っている。
デザストアルターライドブック
デザスト!
造形は幹部級メギドの使うアルターライドブックと同形状だが、「ジェイルバインディング」の色が赤く、ページが黒色になっている。
最終ページの「テキストオブアルター」にはデザストの顔が描かれ、下のテキストには『悪しき者の禁術により生まれた、3つの属性を合わせ持つ者の封印が解かれる』と記されている。
立体物
2020年11月9日にプレミアムバンダイ限定で販売された「DXアルターライドブックセット」にラインナップ。デザスト以外に「岩石王ゴーレムアルターライドブック」と「アリかキリギリスアルターライドブック」がセットになっている。
デザストアルターライドブックのみ特徴として「カラミティ・ストライク!」や「相変わらずこういうので遊んでんのか?」など劇中台詞を含んだ全13音を収録。
必殺技
カラミティ・ストライク
高速回転しながら勢いよく突撃し、目にも止まらぬ速さで紫色に輝く斬撃を連続で放つか、グラッジデンドを振るって赤い炎を纏った紫色のエネルギー刃を放つ。ご丁寧に発動前には技名を呼称する。
関連人物
『最強の剣士』にして『最強の子育て王』を自称する土の剣士。曰く「長い付き合い」であり、スピンオフ『仮面ライダーセイバー 剣士列伝』第1話の回想シーンにおける15年前の戦いを始め、本編でも第4章を皮切りに幾度となく彼の前に立ちはだかっている。
『仮面ライダーセイバー Blu-ray COLLECTION 1』収録のオリジナルスピンオフドラマ『ソードオブロゴスサーガ 前編』では、15年前の戦いにおいて彼の眼前で先代エスパーダ=新閃恭一郎と先代剣斬=鏡天祢の命を奪った事も明かされた。
本編で初めて彼を倒した若き風の剣士。『剣士列伝』第2話では戦いの中でただひたすらに強さを求める姿を見て「強さの果てを見たくないか?」「俺と一緒に来るか?」と冗談とも本気ともつかない態度で誘いをかけた。
戦いの後に「奴は間違いなくこっち側だ」と呟くなど、どこか自身と似たものを感じ取り、執拗に仲間に誘っている。
ズオス
幹部クラスのメギドの1人。一応自身の上司に当たるため、彼の前では「様」付けで呼んでいるが、上記の通り忠誠心は皆無であり、本人のいないところでは小馬鹿にしたような態度で「ズオスちゃん」と呼んでいた。
幹部クラスのメギドの1人にしてデザストの創造主。ただし、ストリウスにとっては気紛れで適当に作っただけの存在でしかなく、「私の物語には不要な存在」と評して存在価値を見出していない。
ソードオブロゴスを裏切り、メギド側に与した闇の剣士。彼にとっては自分を解放してくれた恩人のような存在であるが、自ら手にかけた。
カリバーと同じく、神山飛羽真の脳裏に度々蘇る15年前の記憶と共に、浅からぬ因縁がある。炎の剣士であるセイバーには強い執着を持っており、事ある毎にセイバーの前に立ちはだかる。
「そうか?なら俺がお前を倒す。まだまだ十分楽しんでねぇ!その前に世界が無くなるのは…困るんだよ!」
エターナルフェニックス! 抜刀…!
「……変身」
エターナルフェニックス!! 虚無! 漆黒の剣 が、無に帰す……!
概要
第38章における刃王剣十聖刃及び仮面ライダークロスセイバー誕生後のどさくさに紛れる形で、バハトが残した無銘剣虚無を人知れず入手し、第41章にて変身を果たした。
無銘剣虚無に加えて自身が持つ「グラッジデント」と合わせた二刀流で相手を圧倒する他、デザスト自身の不死性に不死鳥モチーフの神獣「エターナルフェニックス」の力が合わさった事により、バハトに匹敵する程の再生力を獲得した。
必殺技
カラミティ・ストライク
必殺黙読! 抜刀…!不死鳥無双斬り!
無銘剣虚無をブレードライバーに戻し、トリガーを一回引いてから抜刀して発動する「不死鳥無双斬り」と同時に発動。
背面から翼を発生させると同時に紫とオレンジのエネルギーを纏い、高速回転しながらグラッジデントと無銘剣虚無による斬撃を食らわせる。一度はカリュブディスメギドを倒すが、すぐさま復活される。
劇中の活躍
初登場
第4章にてカリバーの手で解放されると、サンショウウオメギド(ハンザキメギド)から尾上亮の一人息子・そらを救うために駆けつけた神山飛羽真達の前に出現。
息子の救出を飛羽真と新堂倫太郎に任せたバスターとの交戦の末、ストームイーグルワンダーライドブックを奪還される。だが高笑いと共に「いいぜ、これからもっと楽しくなるんだ。そいつはくれてやる!」と取り返さずに去っていった。
剣斬との因縁
第5章ではワンダーワールドの目印となる虹色の泡の調査を進めていた倫太郎と須藤芽依の前に「そうだな、考えてやっても良いかな」と自然な口振りで話しかけながら接触。
2人に「良い事を教えてやろう。俺達はワンダーワールドを浸食し、乗っ取って支配する」と自分達メギドの目的を明かすも、口封じに現れたズオスの横槍を受けてその場から姿を消した。
第6章ではストリウスの命でズオスをサポート。ピラニアメギドと交戦中のエスパーダの許へと駆け付けた飛羽真の匂いを嗅ぎつけて襲撃する。
その後ピラニアメギドの別個体が現れる場所を仄めかして退却。以前奪われたストームイーグルのワンダーライドブックも奪取した。
ワンダーライドブックと聖剣を奪うため、ピラニアメギドと交戦中の剣斬を襲撃。敗れるもアルターライトブックの姿で逃走。第7章では復活。ズオス、レジエル、メデューサメギド達と戦うバスターと剣斬の元に乱入し、剣士達との戦いを愉しんでいた。
解き放たれた獣
第15章では『目次録』内部の空間に侵入し、セイバーとの一騎討ちの末に敗北したカリバー=上條大地の隙を突いて背中から刺し貫き、デザストアルターライドブックを取り返した。「これで俺は、完全に自由だ……!」と言い放って逃亡する。
第20章ではセイバー・レジエル・剣斬の三つ巴の戦いに参加。「引っ込んでろ、デザスト!!」と一喝したレジエルに「お前が消えろ!」と言い放ちながら斬りつけた。
そのままセイバー達と戦う中、偶然にも剣斬とシンクロしながら同じタイミングで攻撃を繰り出した事で、自分と蓮が同類であると確信を抱く。
すると嬉しそうに「やっぱりお前はこっち側だな!」と発言。その言葉を否定するかのように怒りに任せて斬りかかる剣斬を茶化しながら軽々往なすと、そのまま戦線離脱した。
緑の風の道しるべ
第28章では富加宮賢人の変身したカリバーに風双剣翠風を封印され、失意に暮れる蓮の姿を物陰から観察。
第30章では風の力を失い、ソードオブロゴスを抜け、海沿いを彷徨う蓮に付きまとい、「お前は強くなりたいんだろ?」「強くなりたいなら、俺と来い」などとしつこく勧誘。
彼からは一蹴されていたが「お前は必ず来る。フッフッフッフッフッ……!」と不敵に笑いながら断言。尾上の気配を察知すると退散していった。
第33章では風双剣翠風を回収しようとする神代玲花を相手になし崩し的とはいえ共闘して退ける。「助けてやったのに礼もなしか」と呟きつつも、「強くなった暁に真っ先にデザストを倒す」ことを条件に、遂に蓮を自分の側に引き込む事に成功する。
令和の地獄兄弟
孤立して行き場を無くした緋道蓮の唯一の居場所と化す。組織の柵から解放された事で悩み始める蓮に対し、偏りこそあれど本人なりに親身に受け止めてアドバイスまでし始めるなど、腐れ縁の悪友のような関係になっていく。
蓮が賢人の誘いを断りソードオブロゴスに戻らないと決めると、闇に留めたいなら願ったり叶ったりな選択をした際には、「それでいいのか? お前……」とその選択を咎めるような至って真っ当な発言をしている。
放浪中の食事は2人共豚骨味のカップ麺だが、彼の場合は紅ショウガ入りが好みらしく、その存在価値について蓮と口論になり、そこから遠回しで蓮が本当の強さを手に入れられない理由がそこにあると指摘した事も。
珍道中
第35章ではマスターロゴスが全知全能の書の力を手に収める為の儀式の匂いを嗅ぎつける。蓮の感情のままに暴走する様を陰から見て呆れていた。
第37章では蓮の悩みの原因が飛羽真にあると指摘し、彼の現状を再認識させ、自分と向き合おうとしない彼の背中を押した。意外にも答えを見つける為に蓮がすぐさま飛羽真の許へ向かったのを見て、困惑していた模様。
第38章ではマスターロゴスを倒すべく参戦した蓮を追って出現。自身も乱入しようとしたがストリウスが現れ「あなたは見ていなさい」と制止された為、不承不承観戦に徹した。戦闘終了後、バハトが消えた事で持ち主不在となった、無銘剣虚無を回収した。
世界の崩壊
第41章ではマスターロゴスに止めを刺し、オムニフォースワンダーライドブックを奪ったストリウスと対峙。世界を終わらせようとする彼を止めるため、ファルシオンに変身。最初は拮抗するが、ストリウスがカリュブディスを召喚すると苦戦。
カリュブディスの不意討ちを受けて右半身を喰われて変身解除した挙句、自身の核であるデザストアルターライドブックも酷く損傷する。無銘剣虚無を投げつけて撃破するも、「なんか、白けちまったな……!」と吐き捨てて戦線離脱した。
火花を散らす自身のアルターライドブックを見て死期を悟る。蓮の元へ帰ると彼にグラッジデントを突き付けながら「俺と戦え、本気でな。さもなきゃ前の風の剣士みてぇに、お前も死ぬ事になる……」と言い放った。
滅びの匂い
第42章では応じた蓮と対決。だが蓮はやる気が失せたかのごとく剣を下ろして、変身を解く。単なる小説家である飛羽真がなぜ剣士を上回るほど強いのか思い悩む蓮は、ただ斬り合うだけでは何も掴めないと、まるで身が入っていなかった。
これまでの迷走を経て「本当の強さ」について感得しつつあった蓮は「こんな事してても、意味無いよ」と戦いを中断する。
「蓮が迷い続ける原因は炎の剣士にある」と見ると、ストリウスに挑まんとする飛羽真を急襲。その中でストリウスから自身の出生に纏わる真実を聞かされながらもクロスセイバーと一戦交えるが、その最中に「自身と蓮が似ている」と指摘される。
苛立ったところを「激土クロス斬り」の一撃で敗退。欠損した肉体の再生が追い付かなくなった事をクロスセイバーに感付かれながらも、その場から撤退した。
激突、存在する価値
「苦悩と決意に満ちた、甘くて苦々しい匂いがする……」
第43章では力を振り絞って肉体を再生させ、廃工場にて蓮と対峙。自ら勝負を挑んできた彼を訝しみながらも、嬉々として受けて立つデザストに、ブレイズの剣技を真似た剣斬の一撃が放たれる。
これに失望すると、今度は一方的に彼を攻め立て変身解除に追い込んだ。自身の非力さに対し「何で俺こんなに弱えんだよ!?」と絶叫。
生身のまま切り掛かられて逃げ回る蓮にデザストは「お前の存在意義は無い……」と吐き捨て、そのまま無銘剣虚無の一振りで斬り殺さんとする。
だが、かつてデザストに掛けられた「強さの果て」という言葉を思い出し、ギリギリのところで持ち直した蓮は彼の一撃を躱す。
風双剣翠風を構えて再び立ち上がり、果敢に挑みかかった。迷いも恐れも捨て、剣士として再起したその姿に、今度こそ本気の喜色を露わにして向き合う。
潰える命
再変身した剣斬はデザストを終始圧倒。アルターライドブックの損傷により再生力を失ったデザストは今度こそ追い詰められるが、全くそれを意に介さず戦いにのめり込んでいく。
「俺の全存在をかけて……お前を倒す……」と剣斬が宣告。剣斬の猛攻で滅多斬りにされながらも、デザストは心底楽しそうだった。さっきのような借り物の技ではなく、蓮は自分の持てる全てをぶつけてきている。
そして剣斬は風双剣翠風を大きく振りかぶる。だがデザストはもう剣で受け止めようとしない。まるで介錯を待つかのような素振りだった。
その姿を前にほんの刹那、躊躇った剣斬だったが、渾身の一撃を繰り出し、デザストの命を切り裂いた。マフラーと破損したデザストアルターライドブックを残してデザストは静かに消滅していった。それを手に、蓮は「楽しかったよ。……ありがとう」と小さく呟く。
「あぁ…つまんねぇな、もう終わりか……お前はそのままでいいんだよ…ああ、それとな―――紅生姜、ちゃんと食えよ?フフフフッ、ハッハッハッハッハッハッ……」
その後、デザストの遺言通りに紅生姜入りのカップ麺を啜る蓮の傍らには、風双剣翠風に加えて無銘剣虚無が置かれていた。
残された刃、残した爪痕
デザストが残した無銘剣虚無と損傷したデザストアルターライドブックは蓮が受け継ぎ、ストリウスとの決戦に向かう際には彼の腰にマフラーが巻かれていた。
「滅びの塔」で立ちはだかったロード・オブ・ワイズ スパルタンに、スラッシュと共に挑む剣斬は、往年の剣技に圧倒されながらもスラッシュの捨て身の反撃で糸口をつかむと猛反撃を開始。
風双剣翠風を投げつけると同時にスラッシュが放った銃撃を利用し、スパルタンの目の前で「疾風剣舞」を発動、不意を打たれたスパルタンは持っていた武器を弾かれて丸腰になる。
そこに無銘剣虚無を構えた剣斬が斬り込み、シンガンリーダーにデザストアルターライドブックを読み込ませて「カラミティ・ストライク」を発動。
幻影となって現れたデザストは、剣斬と共に高速移動しながら大量のグラッジデントによる連続攻撃を叩き込み、止めに前後からの挟み撃ちでスパルタンの完全撃破に成功。すれ違う刹那に消えた幻影のデザストだが、彼が最後に残したのは満足げな含み笑いだった。
外伝作品
『仮面ライダーセイバー スピンオフ 剣士列伝 an episode of仮面ライダースラッシュ&バスター』
本編開始から15年前の出来事。隼人によってアルターライドブックから他のメギド共々解き放たれる。事態を治める為に駆け付けた仮面ライダー剣斬/鏡天称と仮面ライダーエスパーダ/新閃恭一郎の攻撃により一度は倒されるが即座に復活。
剣士が背を向けた隙を突いた反撃で2人の命を奪った。その後スラッシュ、バスターと交戦するが、上條が火炎剣烈火のエネルギーを放出すると他のメギドと共に姿を消した。
『剣士列伝 an episode of仮面ライダー剣斬』
ノーザンベースでソフィアの様子を見て嫌な予感を察知し、彼女の元へと向かった尾上と別れた蓮と遭遇。カリバーが所持する自身のアルターブックを取り返すついでに、暇つぶしがてら再度勝負を持ちかけた。
一度、蓮に「1度勝った奴と戦ってもつまんない」と断られるも、「お前の強さをもっと見せてくれ」とやる気を出させて剣斬と交戦。
再度復活して強化された戦闘力を見せつけて互角の勝負を繰り広げ、その戦いの最中に彼の正義が「強さ」であるのを知ると「自身と一緒に来ないか?」と勧誘。
また、「メギドが後に『世界を揺るがす野望を』行おうしている算段」を伝え退散。蓮との戦いで彼の素質を見抜くと、「奴は間違いなくこっち側だ」と怪しく呟くのだった。
「嘘と真が弾けた、暖かくて冷たい匂いがする……」
街中で見かけたカノンが自らと同じ『創られた存在』であると感じ取り、彼女が兄を探していると知ると、「俺がお前のお兄ちゃんになってやる」と執着して付き纏う。
カノンを守ろうとするセイバーを圧倒するが、ロベスと戦いながら乱入したゴーストとは互角の戦いとなり、ロベスが倒されると撤退していった。
引き続き、Cカノンを自分の妹にするべく執着。しかしCカノンを保護するべく現れた本物のカノンに対しては、「人間の匂いがする」のを理由から相手にしようともしなかった。
そこにマラーとカミーユにより、更に3人のCカノンを連れて現れた際は「妹が4人もできちまった!」と楽しそうな様子を見せたが、マラーの変身した眼魔ウルティマ・エボニーが3人のCカノンを吸収したのを見て激昂。
ウルティマに攻撃を仕掛けるが圧倒される。結果、残る最後のCカノンも吸収されて、遂にCカノンが1人もいなくなってしまった為、つまらなそうな様子で去って行った。
『ソードオブロゴスサーガ 後編』
蓮と共に叩いてかぶってじゃんけんぽんに興じる。「友達がいないから俺に付き纏ってるって事か?」とからかう蓮に対し、自嘲を含めて「誰ともうまく合わないから家出した。自分の事を誰も理解してくれない。お前は孤独だ」と本質を突く発言で返した。
勝手に生み出しておきながら、三幹部に「無価値」だと評されて陰で涙を流していた。そんな彼にとっては、三幹部の崇高な目的は最早どうでもよく、「剣をぶつけ合った先の強さを知る事」こそが生きる目的になっていたのである。
そんな彼を哀れに思ったのか蓮はカップラーメンを分け与え、デザストは喜んでカップラーメンを頬張った。その食べ方は熱々の中身を一気飲みする豪快なものであった。
備考
名前の由来は恐らくフランス語で「天災」を意味する「デザストル(désastre)」。愛剣のグラッジデントは恐らく「恨みがある者(grudged + ent)」位の意味。
モチーフの一つであるハンミョウだが、人が近付いた際に飛び跳ねながら逃げる様子から「ミチシルベ」「ミチオシエ」などとも呼ばれており、興味本意だったとはいえ悩める蓮を諭す様子に合致している。
紅生姜の材料である生姜の花言葉は「豊かな心」「信頼」「慕われる愛」「無駄な事」で、ハンミョウと同様に蓮とデザストの関係に通ずるものとなっている。
中の人
CVを務める内山氏は特撮作品では『ウルトラマンコスモス』にて子役としてウルトラシリーズに出演。『烈車戦隊トッキュウジャー』ではマリオネットシャドーの声でスーパー戦隊シリーズにも出演していたが、仮面ライダーシリーズへの出演は『セイバー』が初。
また、同年(2020年)発売のゲーム『KAMEN RIDER memory of heroez』では仮面ライダーW(フィリップ)の声も担当していた。蓮に葬られた後でも内山氏のオールアップ報告がなされておらず、再登場した第45章にて晴れてオールアップを迎えた。
立体化
2021年8月30日に食玩 装動シリーズで一般販売。メギド三幹部と同時収録と因果なラインナップである。後に2022年5月2日発売の装動リバイス7弾でオプションパーツが収録。
剣斬と一緒に食べていたカップ麺「緑風の豚(トン)」、箸、紅ショウガを持った手、破損したデザストアルターブックを持った手、ファルシオンのベルトを装着した腰パーツが立体化されている。これらのパーツは、アンケートによりかなりの要望があったため収録されたとのこと。
ネタ要素
初登場した第4章にて、ストームイーグルワンダーライドブックを手に取りつつ「相変わらず、こういうので遊んでんのか?」と言い放つシーンがあるが、一部特撮ファンの心にグサリと刺さったのか「特撮オタクを煽る内山」とネタにされた。
何気に映画『劇場版 仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事』に登場したネガタロスが変身する仮面ライダーネガ電王以来の「人間態を持たない純粋な怪人が変身した仮面ライダー」という希少なポジションも獲得している。
本作の東映公式Twitterでは、アカウントを乗っ取って「#デザさんぽ」と称した、公園でのびのびと寝転がったりしているカリバー殺害後の彼の日常が投稿されていた。
自然が失われて人間の文明が築かれていく様にはどこか思う所がある様子だが、漫画等の人間の文化にも興味を示し始めている。
蓮と行動を共にするようになって以降は「#デザさんぽvs#剣斬ぽ」と銘打った対決動画を投稿するようになった。『セイバー』Blu-ray COLLECTION 2にはこの「#デザさんぽvs#剣斬ぽ」にデザスト役の内山氏と蓮役の富樫慧士による台詞を新録した「完全版!デザさんぽ vs 剣斬ぽ」が映像特典として収録されている。
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以上です。これで紹介を終えます。
以上です。これで紹介を終えます。