今回解説するヒロインは神崎優衣です。
目次
- 神崎優衣
- 概要
- 性格
- 過去
- 特殊な描写
- 劇中の活躍
- 秋山蓮との出会い
- 城戸真司との出会い
- 協調
- 兄への疑念
- ライダーバトルの真実
- 死亡
- 最終話
- 改変された世界
- 『劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』
- 鏡像の自身との出会い
- 『仮面ライダー龍騎スペシャル 13RIDERS』
- 備考
神崎優衣
『仮面ライダー龍騎』の登場人物。1983年1月19日生まれの年齢19歳。誕生日の1月19日は奇しくも龍騎最終回の放送日と同じである。演じたのは杉山彩乃。
秋山蓮、城戸真司と出会い、三人で行動していく。「神崎士郎の妹」と「真司と蓮の知り合い」という事から、危険な目に合う事もあった。
概要
ライダーバトルの主催者・神崎士郎の妹。普段は自宅兼店舗である喫茶店「花鶏」で暮らしつつ、ウェイトレスとして働いている。秘境探検が好きな沙奈子が旅行中は店をあけておらず、そのあいだ優衣が何をしているのかは明確でない。
秋山蓮と出会ったことでライダーバトルの存在及び士郎が首謀者になっていることを知る。ライダー同士の戦いを止めさせ、士郎の真意を知る為に兄を探し始める。仮面ライダーの存在や仮面ライダー同士が戦う宿命なども、この時に知ったと思われる。
性格
芯が強いしっかり者。だが愛想を振りまくのは苦手。「顔は可愛いんだからもったいない」という沙奈子にも「こういう人間なんだから仕方ない」と返していた。コメディ回となるとガサツでいい加減かつチャランポランな面を見せることがある。
行方不明になった令子や奈々子を探し出すべく令子のお見合い相手である蔵井の家を留守中に潜入した時には、捜査するために家の中を荒らしても気にしなかった。
手塚海之が彼女を占った際「無」(未来に何もない)という結果が出る等、物語の端々で不審な場面が目立っている。
過去
かつて両親と兄の神崎士郎の4人で暮らしていた。幼い頃、両親により軟禁されており、兄と家に閉じ込もって絵を描いていた。そして13年前、ネグレクトによって衰弱死した。士郎は優衣を生き返させる為に鏡像の優衣と関わる。
鏡像の優衣が現実の彼女の肉体に憑依したことで、復活。しかしその引き換えに20歳で消滅する運命を抱える。世界の交わりが起こった余波からか、鏡像の優衣が彼女に憑依した直後、住居の窓ガラスが一斉に吹き飛ぶほどの爆発が発生。
両親が亡くなり、士郎も重傷な一方優衣は全くの無傷であった。その後、士郎はアメリカの知り合いに、優衣は叔母の沙奈子に引き取られる。以後、沙奈子の喫茶店「花鶏」を手伝いながら、たまに士郎と会っていたが、士郎が突如、失踪した。
特殊な描写
二十歳の誕生日が近づくにつれ、立ちくらみ等の体調不良に見舞われる。ミラーモンスターは彼女と士郎が「自分たちを守ってくれる存在」として描いた絵から生まれた。
そのため、自分に襲い掛かるモンスターを強制的に支配し操れる。ライダーの契約モンスターでも例外ではないが、彼女にその時の記憶はない。
「ミラーワールド」を見る事が出来、彼女の姿は鏡に反転していない(死に際の手塚海之だけが気付いていた)。終盤、オルタナティブにミラーワールドに引きずり込まれるが、彼女に粒子化等の活動限界が見受けられない。逆に現実世界で粒子化の現象が見られる。
劇中の活躍
秋山蓮との出会い
冒頭から共に行動。同調してはおらず、蓮がほかの仮面ライダーと戦うことには反対している。彼が何を望んでいるのかも知らなかった。
「性格悪くて意地悪で、ケチで好き嫌いが激しくて何考えてるかわからない」と彼への評価はかなり辛口だが、一方で「戦いを見ていれば、何かのために戦っているのはわかるから」と信用はしている。
城戸真司との出会い
蓮とともにディスパイダーを追っていたところ、偶然カードデッキを手にしてモンスターが見えるようになった城戸真司と出会う。優衣は何も知らない彼を案じ、ミラーワールドのモンスターや仮面ライダーについて説明。
真司がドラグレッダーから身を守れるようシールのアドベントカードを渡し、カードデッキは預かった。後日、仮面ライダーになると言い出した真司を一度は止める。
だが、彼がシールのアドベントカードを破ってしまったためカードデッキを返却。彼にドラグレッダーとの契約を促し、真司は仮面ライダー龍騎になる。
協調
最初は真司を警戒していた。だが、真司の誠実な気持ちを知ってからは、信頼するようになる。のちに沙奈子が海外旅行から帰国すると、優衣は彼女に真司と蓮を紹介。
当時、真司は編集部で寝泊まりしていたが、沙奈子が彼を気に入ったこともあり、仕事が休みのときは店を手伝う条件で花鶏に下宿することになる。
真司が優衣に近づく目的を勘ぐった蓮もまた、真司と同室で下宿すると決まり、以後は真司も交えた三人での行動も増えていった。
兄への疑念
当初、兄が仮面ライダー同士を戦わせていることについて半信半疑だった。しかし、龍騎になった真司が士郎に戦いを促されたと聞き、実際に兄と会って確かめたいという思いを強くしていく。
その後、独自に兄の調査を開始。兄が通っていた清明院大学で手がかりを得たことをきっかけに、徐々に兄の行動に隠された真意や、忘れていた自身の真相に近づいていく。
ライダーバトルの真実
兄は優衣を救うため、ミラーワールドを研究。龍騎の世界のライダーシステムを開発、自らの分身とも言える仮面ライダーオーディンにライダーバトルを仕切らせていた。オーディンが勝つまでタイムベントで修正を続けていたため、実際は出来レース同然であった。
それを知った優衣は、消滅の恐怖に怯える。だが、自分を救おうと決意して苦悩する真司の姿を目の当たりにし、その苦悩から解放すべく彼の行動を否定。また、他人を犠牲に自分を救おうとする兄の行為も否定し、自分の運命を受け入れると決意した。
死亡
「もし…もしもう一度絵が描けたら…モンスターなんかがいる世界じゃなくて…二人だけの世界じゃなくて…皆が…幸せに笑ってる絵を…お兄ちゃんと……一緒に…」
かつての住処に乗り込んで兄にミラーワールドを閉じるよう懇願する。応じないことで「兄が終わらせないなら自分が終わらせる」と投身自殺を図る。
止めようとする兄に「他の人が苦しむのはもっと嫌」「そうやって手に入れた命なら、私は要らない」と断固として命の受け取りを拒否する。
要求を呑む素振りを見せた士郎の使役したガルドストームに拉致される。ミラーワールド内のどこかの一室に幽閉された。優衣は士郎の嘆願を拒み続け、仮初めの命の終焉を受け入れる。
20歳の誕生日を迎える2日前、救出に来た真司と蓮、現れた士郎の前で自身の願いを告げ、士郎が手を取りきる前に粒子となって消滅した。だが、戦いは止まらなかった。
最終話
オーディンをナイトが倒したことで、ライダーバトルが決着。士郎は時間を巻き戻してやり直そうとする。優衣の想いに気付いた士郎は神崎邸にて、それを否定するかのように叫び続けていた。また駄目だったと嘆く彼の前に、鏡の破片の中から姿を現す。また繰り返すのか、もう終わりにしようと話す。
「優衣を失いたくない、俺を一人にしないで!」と訴える士郎に「私はここにいる。お兄ちゃんの側にいる。新しい命なんかなくても、絵を描いてたときみたいに、只願えば」と優しく告げる。士郎の目から一滴の涙が零れた。
どこかの空間で幼い士郎と優衣が絵を描いていた。そこへ成長した神崎兄妹も訪れ、一緒に絵を描いていく。彼らが描いていった絵は、かつてのようなモンスターではなく、皆が楽しく暮らしている風景であった。優衣の願い通り、彼らは楽しげに笑い合いつつ、いくつもの絵を描き続けていく。
改変された世界
士郎とともに現実世界から完全に消滅。ミラーワールドも崩壊したことで現実世界にもその影響が及ぶが、自らの願いによって新たな歴史を始めさせた。
2002年、春。死んでいった筈のライダー達が平和に暮らす世界。花鶏に飾られていた神崎兄妹の写真は成長した姿のものから幼少期の姿に変わっていた。幼い兄妹は幸せそうに笑っていた。
『劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』
幼い頃に両親を亡くし、自身は叔母の神崎沙奈子に引き取られる一方、別の親戚に引き取られた兄とは離れ離れになった。その寂しさから鏡に映る自分に話しかけつつ、自分を守ってくれるモンスターの絵を描く日々を過ごすようになる。
ある日、珍しく外出した優衣は、少年時代の城戸真司と出会い、楽しいひと時を過ごした。翌日も遊ぶ約束をしたが真司は現れなかった。
鏡像の自身との出会い
寂しさから鏡の前で泣いていたところ、鏡に映る自分に声をかけられた。優衣は誘われるままミラーワールドへ入って遊んだが、長時間滞在したため現実世界に戻れなくなり、モンスターの絵と引き換えにミラーワールドの自分の命をもらって帰還した。
その命は20歳の誕生日に消える。兄の神崎士郎が仮面ライダー同士の戦いを仕組むことになり、またこの頃からミラーモンスターが人々を襲い始めることになる。
優衣はこれらの事実を忘れていたが、20歳の誕生日を目前に控えて思い出す。そして、自身のために他人が傷つき、犠牲になることを拒み、自ら命を絶ってしまった。
『仮面ライダー龍騎スペシャル 13RIDERS』
仮面ライダーナイトこと秋山蓮と行動し、城戸真司が榊原耕一からカードデッキを受け継いだ際は、それを自分たちに渡して元の生活に戻るよう忠告した。
その後、一緒に戦いを止める仲間を探し始めた真司に、モンスターと生み出すコア・ミラーの存在と、それを破壊すればミラーワールドが閉じることを教えた。
備考
ファンダムにおいては全ての黒幕扱いされ評判は悪い。ファンの間ではタイムベントの存在から「士郎が優衣の蘇生を諦めた結果ミラーワールドのない世界が生まれ、彼女の仮初めの命もなかったことにされた」という説が有力とされていた。
『仮面ライダージオウ』にて東映公式もほぼ同様の見解である事が判明した(EP21・EP22のアナザーリュウガ編やRIDER TIME 龍騎での描写的にも間違いないと思われる)。
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以上です。これで紹介を終えます。