今回解説する仮面ライダーはレンゲルです。
「オレは光を守りたい」
【BGM・閲覧のお供に是非】
目次
- 上城睦月
- 登場前
- 概要
- 性格
- 過去
- 闇の中
- 山中望美
- レンゲルの開発経緯
- 理由
- 変身者選抜
- 仮面ライダーレンゲル
- スペック
- 変身
- 外見
- 概要
- 性能
- 装備
- レンゲルバックル
- 醒杖レンゲルラウザー
- カードホルダー
- グリンクローバー
- ラウズカード
- 洗脳
- 登場初期
- 戦闘能力
- 弱点
- 以降
- 必殺技
- ジャックフォーム
- キングフォーム
- 劇中の活躍
- 洗脳
- 特訓
- 再び闇へ
- 影響
- その後の動向
- 自覚
- 正義の仮面ライダーレンゲル
- 最終局面
- 後日談
- MASKED RIDER BLADE EDITION -DAY AFTER TOMORROW-
- 劇場版 仮面ライダー剣 MISSING ACE
- ムービックドラマCD『切り札の行方』
- 小説・仮面ライダーブレイド『たそがれ』
- 小説 仮面ライダーブレイド
- 「HERO」
- その他客演
- 仮面ライダーディケイド
- スーパーヒーロー大戦GP
- 備考
- 強化
- レンゲルバックル
- 中の人
- ハブラレンゲル
【初登場】
上城睦月
『仮面ライダー剣』の登場人物。仮面ライダーレンゲルの変身者。年齢17歳。一人称は「俺」(登場初期は「僕」も併用)。演じたのは北条隆博。
概要
シリーズ初の高校生ライダー。あかつき学院高校に通う高校生。部活動はバスケットボール部所属で背番号は9番。
このほかにスーパー「マミーマート」でレジ打ちのアルバイトをしている様子が描かれており、のんびりしてるように見えて結構忙しい青春を謳歌している。運命に翻弄されるようにして戦いに身を置くことになる。
登場前
仮面ライダー=レンゲルという情報は最初期から明かされており、演じるキャストも製作発表時に4人同時紹介されている。前期OP映像でも第1話から姿が見切れていた。
一方、OPではレンゲルが登場する第17話まで、睦月が帽子を目深にかぶって顔を隠していた。1話opではただ隠すだけだったが、2話以降は腕の動きを加えて顔を隠していた。
この「顔を帽子で隠す仕草」は、レンゲルの変身ポーズに取り入れられている。謎のライダーとアピールして視聴者の注目を煽った。
性格
やや内向的で大人しい。部活で他のメンバーにスタンドプレイを咎められた時やバイト先での客のクレームに対して、真っ先に自分から頭を下げることで場を収めた。
他者との摩擦やトラブルを好まない。年の割に人間ができているとも見られるが、積極的な主張や覇気に欠けているとも取れる。
精神力
熱しやすく冷めやすい。物事には形から入って一度は熱心になるも、失敗するとすぐに諦めてしまう。立派な目標を口にしながら訓練で根気の無さを露呈した時は、師である橘さんからも「直ぐに諦めてしまう。その弱い精神がカテゴリーAに取り付かれるんだ!」と苦言を呈されている。
過去
幼いころ、誘拐事件に遭いコインロッカーに閉じ込められた。その時味わった『暗闇の恐怖』と、そこから救い出された時に見えた『光への憧れ』のふたつの記憶は強烈なトラウマとなって今も焼き付いている。
現在もその影響で暗所/閉所恐怖症を患っており、ふとしたはずみでパニック状態に陥ってしまうこともあった。
闇の中
闇の記憶がもたらす『閉塞感から脱出して違う自分になりたい』という変身願望は偶然アンデッドに襲われた窮地を救ってくれた青年=剣崎/ブレイドと接触。
それを経て都市伝説に謳われる謎のヒーロー『仮面ライダー』への強い憧れへと転化。彼自身の運命も大きく変えていく原動力となっていくのだった。
しかし“強さ”に対する思いは、上級アンデッドを封印していく他の仮面ライダーや、仮面ライダーブレイド ジャックフォームの力を得た剣崎に嫉妬。こうした負の感情は日増しに増大し、再びスパイダーアンデッドの支配力に囚われるようになってしまう。
厨二病
中盤の迷走によって、レンゲル=自称最強(笑)のイタい邪気眼ライダーという風潮が視聴者に刻み込まれた。借り物の力を自身の実力と履き違え、無謀な挑戦と無様な敗北を繰り返し、その事実から目を背けて自分は強者だと空しい主張を喚き続ける。
中二病そのものな格好をして「七並べしませんか?」と橘さんに言い放ったり、自分を心配してくれた望美にビンタされたら手を上げようとした(直後相川始に制止された)。
「これが最強のライダーの戦い方だ(キリッ」とカッコつけた直後城光にフルボッコにされたり、広瀬義人に捕まって吊るされた。
描写
一方で完全には闇に染まっていない。ジョーカーを誘い出す人質とはいえ、一時的に失明した天音を保護、剣崎や橘への「さん」付けが抜けきっていない。
トライアルGの襲撃で負傷したタイガーアンデッドを夜通し看病する、望美を巻き込むまいとわざと自分から遠ざけるなど、睦月の心の奥には確かな光が宿っていた。
他の仮面ライダーとの関係
橘朔也は師匠に当たる。睦月の境遇に心を痛め、彼に親身になって接する。睦月は仮面ライダーとして戦う術を学び、橘の導きに応える形で仮面ライダーとして一番大切な“戦う理由”をも得る。
赤ん坊だった自分が暗闇から救い出されて光を得たように、アンデッドに襲われ、絶望した人々を救い「みんなの笑顔を守りたい」と。そう強く願ったことから、スパイダーアンデッドの呪縛から解放され、自我を保ったままレンゲルとして戦えるようになった。
剣崎一真は先輩に当たる。当初睦月は仮面ライダーである剣崎に興味を抱き、彼につきまとっていた。相川始とは当初は対立していたが、後に共に戦う仲間となった。
山中望美との関係
幼馴染にして同級生。小さなことで一喜一憂し易い彼を支えてくれる『睦月の応援団長』。当初は睦月の小心な性格に呆れていた。彼女には物語全編を通して助けてもらうことになり、最終的には相思相愛の関係になる。
中の人
仮面ライダー剣の後はテレビドラマやCMを中心に活躍していた北条氏だが、2013年に芸能界を引退。始役の森本氏によると名古屋で料理店をやっているとか。
引退後も剣関連でオファーがあれば是非とも参加したいとの意欲を見せており、前述のドラマCDや映画スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号や仮面ライダー サモンライド!などに(主にレンゲルの声役で)出演している。
消息不明?
2014年に行われた仮面ライダー剣10周年座談会(プレミアムバンダイ限定「ラウズカードアーカイブス 10th Anniversary Edition」のブックレットに収録)の企画段階では行方が分からなくなっていた。
せっかくの10周年なのに欠席してしまう可能性があった。幸い、剣崎役の椿氏や広瀬役の江川氏の尽力で連絡がつき無事に参加できた。消息不明になっていた理由は「スマホの故障」だった。
「俺は、俺は……仮面ライダー、仮面ライダーレンゲルだ!」
スペック
身長:205cm
体重:111kg
パンチ力:300AP
キック力:490AP
ジャンプ力:ひと跳び30m
走力:100mを5秒
第4の仮面ライダー。名前の由来はアボリジニ語で『杖』を意味する。クラブのスートとクラブのカテゴリーAである『クモ』がモチーフ。後に仮面ライダーキルバスが登場するまでは唯一のクモライダーだった。
上城睦月の他、元BOARD職員の桐生豪も数回変身した。また、事故とはいえ剣崎一真も一瞬だけレンゲルに変身しかけた。
外見
アンダースーツの色はボトルグリーンで金色の装甲と赤紫色の複眼が特徴。面相は比較的昭和ライダーに近いが、仮面全体のシルエットは顔に脚を拡げたクモがはりついて多角形を構成するという独特なもの。複眼は紫
ローブ・装甲ともに新素材である超金属『スピリチアエメラルド』製で旧型のブレイド/ギャレンアーマーを超える強度を誇る。BOARD製ライダー共通の機能である自己修復機能も有し、戦闘で負った損傷は変身を解除している時に徐々に復元される。
変身
睦月がレンゲルバックルにクラブのカテゴリーAのカードを装填。そして、左右の腕を逆L字型に組んで左手で顔を覆う。
すると『スピリチアエレメント』が展開する。蒼白い光を放つオリハルコンエレメントに対し、スピリチアエレメントは紫色に発光している。
ギャレン・ブレイドは放出した光のゲートに自ら突入しなければ変身できなかったが、 レンゲルの場合は自動的に装着者の側に引き寄せられて変身が完了する。
戦闘能力
最新式なだけあり、性能・機能ではギャレンやブレイドの純粋な上位互換。だが、最初期からいるカリスに部分的には身体能力で劣る。
しかし、剣におけるライダーの強さの真髄は結局『融合係数』なので額面上のスペックにこだわる意味は薄いとも考えられる。
性能
頭部『プリーストクラウン』
目『ジェネラルスコープ』は1000倍ズーミング機能と透視機能を持つ。耳『ソナーピボット』は10km先の針が落ちる音を聞き分ける。口『マスク・オブ・モノリス』が毒素やガスを瞬時に浄化。
『エメラルドシェル』が不可視のシールドを常時発生させて、頭部を守る。『ゴールデンエレメント』が各種エネルギーを伝達。額の『スパイダースピリチア』が装着者にスパイダーアンデッドの「蜘蛛の意志」を注入する。
全身
体を覆うボディスーツ『ミスリルローブ』はどんな衝撃にも耐える。ローブ内部に隠されたアーマー『バックボーンアーマー』が外部の衝撃から装着者の脊椎をガードする。『ナーブコネクト』が装着者とレンゲルクロスを神経接続する。
全身各部の装甲は神秘の超金属・スピリチアエメラルド製。上腕部と大腿部に装着されたリング『スピリチアリグレット』は怒りや憎しみにより発生したエネルギーでパンチ力やキック力を高める。
胴体
胸部装甲『ブレッシングシールド』が不可視のシールドを発生させており、敵の攻撃を無効化する。
クローバーの意匠を取り入れた3つの円形パーツ『カイザーストーン』が装着者の闘争心を高める。背面『フォース・クーリング・リバー』が余剰エネルギーを放出し、各部アーマーを冷却。
四肢
肩部装甲『ショルダーガードナー』上腕部装甲『スピリチアバングル』膝部装甲『ニーアーマー』脛部装甲『スタビライズアンクレット』踵部装甲『ストライクスパート』で保護。
手甲のリベット『パワーリベット』はアンデッドめがけて強力な攻撃エネルギーを流し込む。爪先『ゴールデンシールド』から強烈なキックを放つ。クラブの意匠が描かれた足裏『ブレイカーソウル』はキック時に強烈なエネルギーをアンデッドへと叩き込む。
装備
レンゲルバックル
ライダーシステム『レンゲル』の核となる変身ツール。バックル内部から引き出したトレイにクラブのカテゴリーAのラウズカード『チェンジスパイダー』を装填することでバックルからカード状のベルトが射出展開し変身ベルトとして機能する。
サイズはギャレンバックル・ブレイバックルよりも一回り大きい。変身起動ギミックはバックルに設けられた左右スライド式のシャッターを手動で開いて機能を発動する『OPEN UP』形式に変更されている。
危険性
変身者の精神にはチェンジスパイダーに封じられたスパイダーアンデッドの邪悪な意志が強い影響を与え、心が未熟であれば肉体を完全に乗っ取られる。
変身した瞬間に自我を失いスパイダーアンデッドの操り人形と化してしまう。また、カード共々捨てても捨てても見込まれた者の身辺にいつの間にか戻ってくる。
小ネタ
18話においてレンゲルの力に恐怖を覚えた睦月はベルトを川に放り捨て戦いから逃避しようとするが、このとき実物のプロップが紛失されたらしい。以降出てくるのは作り直された二代目である。
当時の北条氏のレンゲルバックルにかける偏愛は尋常でなく、嬉しくて何度も『OPEN UP!』ギミックを試して開け閉めしまくってたのを見た小道具係のスタッフから 「壊れるからやめなさい!」と注意されたほどだという。
醒杖レンゲルラウザー
レンゲル専用の武器兼ラウズカード覚醒機。その名の通り錫杖型をしている。初期APは6000でBOARD製のライダーシステムの中では最高。最大コンボ数のリミットは3枚まで。
石突きに当たる箇所がカードリーダーとなっており、取り出したラウズカードをスラッシュさせることでアンデッドの力を解放する。設定上は重量1.8㎏と意外に軽い。
ダガーモード
刃『クローバー・エッジ』を一重に重ねた形態。戦闘も出来るがメインは携帯用。シャフト部の内部収納による伸縮機能で手槍程度の長さになっている。
劇中では専らザッパーモードがメインであり、ダガーモードはTV版では2回しか使っていないマイナーな機能。しかし、小説版で拾われていたりする。
ザッパーモード
柄を伸ばし、先端部の円形の刃がクローバー状に展開した状態。レンゲルがメインで多用した。“天・地・人”3枚の刃がクローバー状に展開された『クローバー・エッジ』は各刃が1秒間に200万回振動し、刃に触れた敵を切り裂く。
カードホルダー
変身完了後に出現するアンデッドを封印したラウズカードを保管、取り出して使用するためのカードケース。ギャレンやブレイドのように武器と一体化したオープントレーではなく、カードはベルト脇のケースから取り出して扱う。カリスに近い形式。
グリンクローバー
スペック
全長:2060mm
全幅:840mm
全高:1300mm
最高時速:320km
最大馬力:470馬力
ベース車:HONDA XR250
概要
レンゲル専用のスーパーバイク。伊坂がライダーシステムと同時に烏丸らの手で設計・開発させたもの。作中で最も高い性能を持つライダーマシンである。上城睦月は、戦闘時だけでなく、日常的にも愛用している。
開発経緯は劇中では描かれていないが、おそらくはピーコックアンデッドこと伊坂にマインドコントロールで操られていた科学者たちが、レンゲルの変身アイテムであるレンゲルバックルと同時期に開発したと考えられる。
性能
超金属製のカウル『アッパーカウル』は突進時に衝撃波「フォースシールド」を発生。立ちふさがる敵を粉砕する。前部『アーマースクリーン』は超金属・エンペラーレジン製の頑丈なシールドで覆われている。
内蔵された生体コンピューター『バイオブレインケース』にはスパイダーアンデッドの意志が宿っており、レンゲルの思考とは別に自律走行が可能。
『クラブフェイス』はヘッドライトとして前方を明るく照らすだけでなく、X線透視や暗視カメラ、センサーカメラなどの機能を備える。
走行性能
『エレメントコンバーター』は空気中のあらゆる元素を取り込み、エネルギーに変換して各部へ送り込む。ブラックボックス化した謎のエンジン『クラブジェネレーター』はエレメントコンバーターで得たエネルギーやガソリンを燃料として走行。
反遠心ブレーキ『ACBS』は最高時速で走行していても、停止距離15mが可能。『エンペラーフォーク』は衝撃吸収に優れ、50mの高さから着地しても車体は無傷。
タイヤ『マジックホイール』はいかなる路面状況にも対応可能で、絶対にパンクしない。『フォースアウトダクト』は余分なエネルギーや熱を放出し、冷却する。
攻撃性能
『モビルラウザー』にラウズカードをラウズすることで、ラウズカードに封印されたアンデッドの能力をグリンクローバーに付与する。
ゲーム版ではカテゴリー6をラウズさせ、吹雪を巻き起こして突貫するブリザードクローバーが使用可能。『ウエポンコンテナ』内には前部タンクの両側に計8門、後部には計4門の生体誘導ミサイルを搭載している。
ラウズカード
アンデッドを封印したカード。レンゲルの場合はクラブのスートのラウズカードが中心となっているが、実際は全ライダー間でスートに関係なく互換性が設けられており、基本的に入手したカードは全て使える。
『カード集め』というわかりやすい『強さの増加指標』に射幸心を煽られた睦月は終盤までカードの入手に拘り続けることになる。参戦時期がやや遅れたこともあり、予め封印済みのカードが大目。
開発経緯
烏丸所長はアンデッドを再封印するためにライダーシステムを開発。未開放だったダイヤとスペードのカテゴリーAをベースに1号ライダー・ギャレン、2号ライダー・ブレイドが誕生した。
ハートとクラブのカテゴリーAは手元になかったためそれらをベースにしたライダーは作られなかった。だが、伊坂(ピーコックアンデッド)が動きだして状況が動く。
カテゴリーAはJ・Q・Kの上級アンデッドにも匹敵する知性と強さを有する強敵。 だが、伊坂は橘朔也を言葉巧みに利用してスパイダーアンデッドを封印させた。一方、所長は他のBOARD職員諸共マインドコントロールされ、レンゲルバックルを作られされていた。
理由
アンデッドたちはバトルファイトと呼ばれる、生き残りを賭けたバトルロイヤルを繰り広げている。古代のバトルファイトでは、他のアンデッドに倒されたアンデッドは、統制者と呼ばれるモノリスに封印されていた。
だが、現代のバトルファイトはアンデッドがアンデッドを倒しても封印できない。そこで伊坂は、アンデッドを封印する手段を得るため仮面ライダーを求め、レンゲルを作り出したと考えられる。
変身者選抜
変身に適した『アンデッドとの融合係数が高い若者』を求め、拉致と調査を繰り返す伊坂。その被験者の中から選び出されたのが睦月であった。
一度は変身実験に失敗し、見込みなしとして記憶を消去したうえで放逐された睦月だが、カードに封印されたはずのカテゴリーAは彼を己のものとするべく、罠を張り始める。
洗脳
ギャレンはスパイダーアンデッドを不完全に封印してしまったため、カードの中から外界に干渉する力を残していた。
スパイダーアンデッドはバトルファイトを戦い抜くための新たな身体としてレンゲルを欲し、烏丸に精神干渉を行っており、所長は二重の譫妄状態に陥っていたと考えられる。
登場初期
カテゴリーAが睦月の肉体を乗っ取って変身していた。初登場シーンはのしのし歩いてくるレンゲルの頭上を暗雲が猛スピードで横切っていきかなりの威圧感。
この状態は時々声が睦月のものから邪悪でドスの利いた低音(CV:梁田清之)に変化する。また、睦月本来の意識は休眠状態となって一切の記憶は残らない。
戦闘能力
この状態のレンゲルはカテゴリーAが仮面ライダーという鎧を纏っているも同然。劇中でレンゲルの装着者は睦月本人の状態変化を含めて複数存在するが、純粋にスペックの高さだけで強さを測るのなら、この状態が最強である。
種族の繁栄に懸ける本能のみで戦う姿勢から引き出される力は圧倒的で、初陣では早送りのような異常なスピードで接近しカリス・ブレイドをそれぞれ一撃でダウンさせた。
武器を用いた接近戦でもカリスを一方的に圧倒。これまで格段の強さを誇っていた始が良いようにやられる姿は、剣崎にも大きな衝撃を与えた。
弱点
支配力が長時間持続しないため、睦月の自我が覚醒し始めると戦いの最中でも苦しみだし、戦線から離脱してしまう。
これを反省してか、カテゴリーAは自身が表面に出張るのではなく、睦月の中にある力への渇望を煽ることで彼が自分の意志で積極的に戦いに臨むよう仕向け始めた。
中盤でカテゴリーKことタランチュラアンデッドが敢えて自ら封印されたことでカテゴリーAの支配力そのものは大きく抑制される。
必殺技
スクリューラッシュ
♣3+4で発動。AP消費値1400AP。レンゲルラウザーを高速回転させながら突進し繰り出す刺突技。
ブリザードゲイル
♣3+6で発動。AP消費値1800AP。突き出した手から冷気を放出し、離れた相手を凍らせる。劇中では吹雪を収束して射程を伸ばすのに利用された。ゲーム版では、冷気を纏ったコークスクリューを繰り出す。
ブリザードクラッシュ
♣5+6で発動。レンゲル初期のキメ技。AP消費値は2400AP。ダイナミックな跳躍から冷気を浴びせかけ、氷漬けにした相手を両足で挟み砕く。
しかし、タイガーアンデッドに仕掛けた時には閉じようとする両脚を掴まれて妨害され、仕損じている。
ブリザードベノム
♣4+6+8で発動。待望の3枚コンボ。AP消費値は3800AP。冷気を纏ったレンゲルラウザーを突き刺して相手を凍結させつつ、ダメ押しに猛毒を流し込む。他のライダーはあくまで3枚コンボもキック主体だったが、レンゲルは武器攻撃にシフトしている。
スピニングダンス
♥4+5+6で発動バトルファイトのかき回しを愉しむキング/コーカスビートルアンデッドが所持していたものを譲られたことで、一時期ハートスートのA・3~10・Qのカードを所有していたために使えた技。
カリスの繰り出すスピニングダンスと同じで、空中に浮遊した後、竜巻を身に纏ったドリルキックで敵を貫く。レンゲルラウザーのDX玩具に他スートのコンボ技の音声が収録されていないため、技名をレンゲル自らが呟く描写を度々ネタにされる。
ジャックフォーム
原作の設定をもとに独創的なオリジナルライダー/フォームが飛び出すS.I.C.にて、レンゲルにも待望のオリジナル形態ジャックフォームが新規で制作された。後に細部をブラッシュアップされて商品化。
ちなみに、ブレイド・ギャレンの11が鳥系だったのに対して♣の11はエレファントのため飛べない。見た目も飛ぶとか無理だろうと言わんばかりの重装甲。
外見
陸生動物である象の始祖「エレファントアンデッド」の力を得た結果、鳥類と融合した先の二者と異なり単純に攻撃力・防御力が強化された形態。
胸にエレファントアンデッドの紋章が刻まれるのは同じだが、オリハルコンウイングの代わりに象の牙を模したオリハルコンタスクが両肩に出現し、手も象の足を模した巨大な手甲に覆われる。
武装
醒杖レンゲルラウザー後端に鋭利な刃『ディアマンテエッジ』が装着される。クローバーエッジと穂先のサイズが逆転・薙刀のようなフォルムとなる。また、エレファントアンデットが使用していたフレイル状の鉄球も装備している。
キングフォーム
番組放送から20年を経た2024年2月、記念イベント「仮面ライダー剣 20th Anniversary STAGE&TALK」にて、ついに公式な形でレンゲルのキングフォームが登場。スーツも同イベントに合わせて新造された。
こちらもギャレンのキングフォームと同様に、カテゴリーK(タランチュラアンデッド)とのみ融合した「本来の想定」通りのキングフォームとなっている。
基本的なフォーマットは先行するブレイドやギャレンのそれに準じており、ハイグレイドシンボルのアレンジ(タランチュラの足が枠内から飛び出している)やゴールドの色合いはギャレンのキングフォームに合わせられている。
ただし、通常の状態で既に金色の占める面積が広かったこともあってか、腕や足のアーマーを中心にメタリックオレンジや緑が多用されている。
杖型のラウザー
キングフォームが使用する、杖型のカードリーダー。レンゲルラウザーに近い形状ながらも、先端部の円形の刃が4枚に増えている他、後端部にも新たに刃が追加されているのが特徴である。
「HERO」
睦月のキャラクターソング。歌詞は睦月のレンゲルに対する葛藤、彼自身の心の内が綴られており、聴く者にストレートに、かつオブラートに包むように伝えてくる。
このキャラソンを歌うにあたって、演者である北条隆博は椿隆之や森本亮治と一緒にカラオケに行き、指導を受けたらしい。ちなみに収録時間が半日以上かかったとか。
備考
レンゲルに強化フォームや新武器といったテコ入れ要素を一切入れないことは構想段階から既に決定していた。
『最強のライダー』という肩書やブレイドやギャレンは強化フォームになって初めて纏える金色のアーマーを最初から装着している、といった点でフォローを図った模様。
実際は変身者のメンタルの不安定さから名前負けしてしまった感が強いが。演じた北条氏もレンゲルに強化フォームがないことを気にしていたらしい。
ハブラレンゲル
レンゲルは扱いや商品展開においてかなりの不遇。そうしていつしかこの造語が作られた。
- ガンバライドでは剣のライダーの中で一番登場が遅い
- ガンバライジングでは現在剣のライダーの中で唯一未登場
- ブレイド、ギャレン、カリスのライドウォッチは商品化されているのにレンゲルのライドウォッチだけない
- 本編で唯一強化フォームが出ない
- 4人の中で唯一飛行能力のカードを持っていない
劇中の活躍
初変身
第13話で初登場。ライオンアンデッドに襲われていたところを剣崎に救われる。仮面ライダーに憧れを抱くようになる。その後伊坂に誘拐されて変身を試されるも失敗し、捨てられた。第16話で道端に落ちていたレンゲルバックルを偶然拾う。
ラウズカードに封印されてもなお強力な力を持ち続けるスパイダーアンデッドに精神を操られ、レンゲルに変身。圧倒的な力でブレイドとカリスを圧倒し去っていく。その後もカテゴリーAに操られるままアンデッドを解放して暴れまわり、ブレイドやギャレンを苦しめた。
徐々に変身解除後の心まで蝕まれていった。やがて睦月は野蛮で暴力的な性格へと変貌してしまうが、完全に乗っ取られてしまったわけではなく、我に返ったように本来の小心者だが優しい性格が表に出てくることもあった。
力との向き合い方
剣崎たちは睦月からベルトを引き離そうと奮闘。しかし何度試してもベルトは独りでに睦月の元に戻ってしまう。望美を殺しかけた際には自ら川に投げ捨てたり、一時ベルトが桐生豪に渡るが、結局戻った。
方針を変更し、ベルトを使いこなせるよう睦月の心身を鍛えることにする。橘が睦月の師匠役となり、棒術や動体視力など基礎訓練を課す。モールアンデッド戦ではトラウマを振り切って暗中の戦いを制し、人々の生命を救った。
嶋さんとの出会い
だが強さへの執念をカテゴリーAに付け込まれる。上級アンデッドを封印していく他の仮面ライダーや、ジャックフォームの力を得た剣崎に嫉妬。
剣崎や橘に反抗的な態度を取ったり、「とにかくアンデッドを倒してカードを手に入れればいい」と粗暴で好戦的な言動が増える。
そこへチベットから烏丸所長の協力者にして、バトルファイトを望まない人間に友好的なアンデッド・嶋昇(タランチュアアンデッド)が来日。
これに危機感を覚えたカテゴリーAは睦月を煽って自身を守らせようと抵抗。嶋は内面から睦月の精神に干渉すべくあえてカードに封印された。すると睦月はひとり姿を消した。
タイガーアンデッドとの交流
後に睦月は再登場するも闇落ちは治らず。カテゴリーKの加護でカテゴリーAの支配力は弱まったのだが、今度は睦月自身の精神が長い荒んだ戦いの影響で悪化したらしい。
ついにはバスケットボール部をやめて望美や家族のもとを離れ、自らが最強の仮面ライダーになるべく、剣崎らほかの仮面ライダーたちと敵対するようになった。
そんな中、タイガーアンデッド/城光と出会う。ラウズカードの力を湯水のように乱発し相手をごり押しで叩き潰す睦月の戦法を「最低の戦い方」と酷評された。
自身がアンデッドだと気づいた彼に戦いを挑まれると、変身する間も与えず鋭い蹴りの連撃で返り討ちにし「お前はなんのために戦っている?」と問いかけて去っていった。
睦月が再戦でリモートテイピアを使用すると、「正々堂々と戦うということを知らないのか」と吐き捨てられた。
だが睦月も遅まきながら自分は強くなっていないことを受け止める。睦月が居座るクラブに光が出入りするようになり、戦士としての在り方を巡り奇妙な心の交流を築いていく。
融合と解放
合成アンデッド・ティターンに毒を打ち込まれて闘争本能が暴走。カテゴリーAも凶暴化し、融合の進んだ睦月は見境なく暴れ出す。望美の命がけの説得も、僅かに理性を取り戻させたに過ぎなかった。
その後ブレイド、ギャレンと交戦。光の落としたラウズアブゾーバー、わざと封印されたタイガーアンデッドのカード、嶋のカードを使ってキングフォームになろうとする。
キングフォームにはなれなかったが、カテゴリーQ=光とカテゴリーK=嶋の力でスパイダーアンデッドが睦月から追い出された。睦月は呪縛から解放される。
「貴様を封印する!!」
睦月はスパイダーアンデッドと対峙。容赦なく牙を剥くスパイダーアンデッドだが、睦月も互角に立ち回る。その姿にはタランチュラアンデッドの姿が重なっていた。
ブレイドが場外から投げ入れた重醒剣キングラウザーを受け取った睦月は、迫るカテゴリーAにカウンターの一太刀を打ち込んで撃破する。
再封印後、カードは黄金に輝いていた。この時、師である橘からも本当の仮面ライダーの称号を送られている。正気に戻った睦月は、自身を闇から救うためにその身を犠牲にした光の想いを知り、「俺がもっと強ければ…」と落涙するのだった。
最終局面
4人のライダーが団結。天王路の変身した人造アンデッド・ケルベロスⅡとの決戦では、ブリザードベノムを炸裂させ 、形勢を一気に味方側に傾けた。
しかし、嶋や光の力を借りた自身の経験からアンデッドを単純に倒すべき敵とはみなせなくなっており、人とアンデッドの融和という問題で心悩ますことも多くなった。始を封印するか橘と意見が分かれると、変身して戦ったが瞬殺された。
橘によってギラファアンデッドが封印されると、世界の破滅が始まる。出現した大量のダークローチに対応すべく剣崎とともに奔走。いつ終わるとも知れない戦いが続く。
睦月はジョーカーを封印するため本気で挑むも、圧倒的な力量差は如何ともしがたく敗北。その後は入院する。戦いが終わった後、バスケットボール部に復帰して望美と共に過ごす平和な日常を取り戻した。
後日談
MASKED RIDER BLADE EDITION -DAY AFTER TOMORROW-
バンダイから発売されている人気フィギュアシリーズ『S.I.C.』のジオラマと小説によって語られる石ノ森ヒーローたちのドラマ『HERO SAGA』の『剣』編。主人公として登場。
大学受験に落ちて落ち込んでいるところ、突如ブレイドに襲われる。だが、乱入した橘によって、ブレイドの正体はカメレオンアンデッドの化けた偽物だと判明。
事件解決のため参戦するも、戦いについてゆけずに離脱。戦いで力になれなかったことを落涙しながら嘆いたものの、望美に補欠合格の報せを受けたことで希望に満ちた明日を歩みだすのであった。
劇場版 仮面ライダー剣 MISSING ACE
剣崎がジョーカー=始を封印したIFの世界の4年後を描く映画作品。睦月は就活真っ最中で21歳の大学4年生。栗原天音の誕生日会に誘いに来た剣崎と白井虎太郎に対し「もう関わりたくない」「俺は普通に生きる」と拒否。だが後日ハカランダに訪れ、謝罪する。
ライダーとしての苛烈な戦いのせいでなかなか一般社会に適合できず苦労してきたらしい。企業面接でも「普通のサラリーマンに憧れている。普通に働いて、普通に結婚して…」と面接官に答えていた。
活躍
橘がスパイダーアンデッドを封印したことで戦線復帰。剣崎の変身カードであるスペードのカテゴリーAと渡り合ったり、リモートを使って封印されていたジョーカーを解放・4人のライダーの揃い踏みのキーマンとなるなど、要所で活躍した。
終盤では巨大邪神フォーティーンに仲間と立ち向かう。ブレイドとギャレンはジャックフォームに強化変身。レンゲルは、邪神の力を削ぐためにその身を犠牲にした始の所有するハートスートのラウズカードの一つ、フロートを使用。三人は空に舞い上がる。
ムービックドラマCD『切り札の行方』
『剣』終了から10年の時を経て復活した奇跡の企画。剣崎が仲間たちの前から姿を消してから10年後の世界を描いている。睦月は社会に出てイベント会社に就職。現在3年目。面倒見の良い先輩として後輩からも慕われている。
ライダーの力を手放した後も融合したアンデッドの力は微かながら残存しているらしく、嶋さんと同じように風の流れを読めたり、車に轢かれそうになった少女を咄嗟に救助するなど身体もなまっていない様子。
長い間仲間とは会っていなかったようだが、橘さんのことは今でも尊敬しており、初任給をもらった時、橘さんになにもプレゼントしていないのをちょっぴり気にしていた。望美との関係性については描写されず、本人も妙にはぐらかしている。
小説・仮面ライダーブレイド『たそがれ』
番組後半のメインライターである會川昇氏が『仮面ライダー剣 超全集』に掲載した短編小説。舞台は数十年後の未来であり、睦月も既に故人であるが、おばあちゃんになった天音ちゃんの言葉によると、その生涯は幸せなものであったらしい。
この世界では『仮面ライダー』は虎太郎の著書により一躍社会に認知されたが、同時に時が進むにつれそれを題材として作られた児童向けの人気コンテンツとして消費される虚像と化す。
そのため、真のライダーと呼べるのは紛争地帯で戦う剣崎=ブレイドジョーカーと始だけとなっている。レンゲルもかつて4人いた『本物の仮面ライダー』の一員として天音おばあちゃんに『自分の中にもある弱さや闇と戦うために』アンデッドに立ち向かったと認識されている。
小説 仮面ライダーブレイド
本作は『たそがれ』より更に後、最終回の数十年後から更に300年の時が過ぎた24世紀が舞台である。当然、原作の登場人物は剣崎と始以外、全員が故人である。
レンゲルに変身するのは睦月の子孫と思しき少年・サツキ。サツキとしての出番は多いが、「レンゲル」に変身するのは物語終盤である。
客演での活躍
仮面ライダーディケイド
「ブレイドの世界」の住人で大企業BOARD社員の黒葉ムツキが変身する。原作と異なりブレイド・ギャレンと同じBOARDが作製し保有するライダーシステムとなっている。
剣立カズマや菱形サクヤの後輩だが、社内の地位が2人より上がった事で、2人に尊大な態度をとるようになる。後に「ライダー大戦の世界」で登場。変身前は未登場だったが、一緒に登場したカズマが「レンゲル」と呼んでいるので、ムツキとは別人である事がわかる。
スーパーヒーロー大戦GP
歴史改変された世界でショッカーライダーの一員として登場。ブレイドライダーたちを従える大幹部として、不死生物アンデッドの開発指揮を取る(ここでいうアンデッドとは恐らく人造アンデッドの事と推測される)。
同じくショッカーライダーとなっていたカリスと共に敵として立ち塞がった。終盤でドライブ一行に感化されてかつての正義の心を取り戻す。ショッカーライダー達に囲まれ窮地に陥っていたゼロノスを救っている。
シティウォーズ
2021年1月のアップデートでついに参戦。シティウォーズのプレイヤーでもある北条氏の新規アフレコも実施。A-RUSH発動時には「ウェーイ!!!」と叫ぶなど遊び心溢れるボイスになっている。
通常攻撃はレンゲルラウザーを使った攻撃で、通常形態の全ライダートップクラスのリーチと速さを併せ持つ。必殺技は「ブリザードベノム」。
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以上です。これで紹介を終えます。