今回解説する仮面ライダーはアナザーアギトです。
「アギトは俺一人でいい。俺は俺の手で人間を護る…! 俺の…この手で…!」
目次
- 木野薫
- 概要
- 性格
- 闇医師
- 過去
- 医師免許の剥奪
- あかつき号
- 中の人
- 仮面ライダーアナザーアギト
- スペック
- 変身
- 外見
- モチーフ
- アンクポイント
- 性能
- バイオクロウ
- ダークホッパー
- 性能
- 戦闘スタイル
- 必殺技
- 名称問題
- スーツ事情
- ファンの考察
- ジオウでの回答
- アナザーアギト(真島浩二Ver.)
- アナザーアギトバーニングフォーム
- スペック
- 外見
- 戦闘能力
- バイク
- 謎
- アナザーアギトバーニングフォーム
- 劇中の活躍
- 登場前
- 翔一たちとの出会い
- アギト殲滅
- 改心
- 奪われるアギトの力
- 最期
- 本編後の活躍
- 仮面ライダーディケイド
- 仮面戦隊ゴライダー
- 活躍
- 戦闘
- S.I.C. HERO SAGA
- MASKED RIDER AGITΩ EDITION -HEAVEN'S DOOR-
- MASKED RIDER GILLS EDITION -仮面ライダーになってしまった男-
- ゲーム作品
- 『仮面ライダーバトル ガンバライド』
- 『レンジャーズストライク』
- 『ライダーズレジェンド』
- 玩具
- ソフビ
- 『S.I.C.』
- S.H.Figuarts
【初変身】
木野薫
特撮番組『仮面ライダーアギト』に登場する仮面ライダーの1人。劇中では3番目に登場した『アギト』である。アナザーアギトの変身者。演じたのは菊池隆則(現:樋口隆則)。
概要
年齢は32歳。元は医者だったが、医師免許を剥奪されて以来闇医者として活動していた。あかつき号の乗客たちのリーダー的存在。彼の戦いぶりや生き様は、翔一や涼などアギトの力を持つ者達に大きな影響を与えた。
医者になることを強要されたことで親に反発し家出していた少年・真島浩二も、彼が命がけで手術をする光景を見て嫌っていた医者への道を志すようになった。
性格
元々は温厚で、困っている人を放って置けない好人物だった。しかし弟を目の前で喪うという経験からトラウマと後悔の念に囚われる。
その光景が何度も悪夢として彼を苦しめるようになり「救いを求める人間は全て自らの手で救わねばならない」という考えを抱く。更にアギトの力に覚醒した後は「アギトは自分だけでいい」と他のアギトを邪魔に思うようになった。
初登場
第35話より登場したが、存在自体は物語当初から示唆されていた。他のあかつき号事件の関係者と同様葦原涼の父親・和雄の手帳に名前と住所が記されている。
第14話では手帳に記されていた住居を去っていること、第27話では相良克彦に涼を殺害するよう指示したことがそれぞれ言及されている。
闇医師
法外な報酬と引き換えに確実に手術を成功させる闇の名医として名を馳せていた。本来3時間近くかかるオペを40分足らずで終えたり、同時オペをこなしたりするなど超一流。
法外な手術費ながら手術の依頼が絶えない。手術の際には先の考えから他の医師は決して補佐に付けず、単独での施術に固執する。
過去
医師免許の剥奪
かつては医者だったが、ある日雪山で遭難。一緒に登山していた弟の雅人(当時26歳)が死ぬが、自身は生き残る。
弟を救えなかった無力感と自責の念に苛まれるようになり、雪山の光景は悪夢として長年彼を苦しめ続けた。凍傷によって右腕を失ったが、雅人の物が移植された。それにより「最早手術は不可能」と判断した医学会によって医師免許を剥奪された。
あかつき号
当時荒んでいた真島浩二に対して医者としての観点から命の尊さや人生の在り方を説いたり、冷静で達観した雰囲気を持ちメンバー達の中心的人物になっていた事からも、彼本来の性格が垣間見える。
その後、謎の青年(光の力)の力の余波を受けた9人とともに、事件の詳細を口外しないことをしめしあわせた。彼らは一部の者を除き、住居を転々としながらも、木野と連絡を取りつつ、アギトの力に目覚める運命の日への対応を模索していた。
中の人
アラフォー近くの仮面ライダーである「おっさんライダー」の元祖。2017年末現在も歴代レギュラーとしては最年長キャスト。
TVシリーズの変身者キャスト最年長はゲストライダーだと『仮面ライダードライブ』の仮面ライダー純(当時60歳)と『仮面ライダーゴースト』の仮面ライダーダークゴースト(仙人(イーディス)、当時60歳)。
既存ライダーも含めると『仮面ライダーW』第43-44話のW(老化翔太郎、当時68歳)となる。劇場版も含めると『劇場版 仮面ライダーウィザード in Magic Land』の仮面ライダーソーサラー(当時54歳)と仮面ライダーメイジ(輪島のおっちゃん、当時58歳)、『仮面ライダー1号』のネオ1号(当時70歳)がいる。上には上がいた。
「津上、俺はアギトであることに飲み込まれてしまった人間だ!だがそれはアギトの所為ではない…俺という人間が弱かったからだ!俺は、自分の『弱さ』と闘う!!お前も負けるなっ!!」
スペック
身長:200cm
体重:97kg
パンチ力:約15t
キック力:約30t
走力:100mを5秒
ジャンプ力:ひと跳び70m
硬度・防御力:7
最高視力:約25km先
最高聴力:約30km四方
概要
アギトの一種であるギルスとは異なり完全にアギトの力をコントロールしている存在。木野本人の歪んだ精神を反映しているかのように禍々しい。
バッタやイナゴのような姿をしている。木野薫のダーティーなキャラクターと初代ライダーに近いデザインラインで、今もなおサブライダーでは非常に高い人気を誇っている。
変身
変身ベルト『アンクポイント』を使って変身する。両腕を下側に交差させるポーズと共にベルトが出現し、身体がアナザーアギトの姿に変化する。
主人公の翔一が変身するアギトに比べると、一挙一動に腰の入った重いアクションと「スゥーッ…!」と言う独特な呼吸が特徴的。指先や掌を敵に向けるファイティングポーズを取る翔一に対して、拳を握り締め突き出すポーズを取るなど、対比的な部分も多い。
外見
基本カラーは深緑。生物的な生々しいデザインが特徴的である。平成ライダーでは珍しくマフラーを常備。これは仮面ライダーV3のオマージュとされている。首に付いておらず羽のように出ている。
マフラー装備のライダーは仮面ライダーZX以来となり、このアナザーアギトの後は仮面ライダーWまでいなかった。歯牙や羽根と言った生物的な特徴はアンノウンと共通した意匠だが、これは元々アナザーアギトが「アンノウン側のライダー」として想定されていた為。
モチーフ
デザインのモチーフは翔一のアギトと同じく龍及びバッタ又はイナゴと思われる。キャラクターをデザインした出渕裕のデザイン稿によれば、仮面ライダー(1号ライダー)の原型となった『スカルマン』をモチーフにしているとされる。
戦闘能力
数値上のスペックはアギトの最強形態であるシャイニングフォームやエクシードギルスに匹敵する。武器を使わず肉弾戦のみで戦う。劇中では工場の廃材を武器にしたり、G3-Xの武器を奪って使用したり臨機応変に立ち回った。
風の力を使って飛び道具を放つ事も可能。他にもギルスのデモンズファングクラッシャーのような噛みつき攻撃も可能だが、木野の戦闘スタイルと合わないからか未使用。
性能
頭部
『クラッシャー』は通常時マウスピースとして牙を保護。敵に噛みつく攻撃するときや、必殺技「アサルトキック」を放つ際に展開する。目『アギトアイズ』は広視界、長距離の目標物の認識、透視能力など、人間の能力を遥かに超えている。
『アギトホーン』は視覚、嗅覚、聴覚をコントロールする感覚器官。また、蓄積したパワーによる自壊を防ぐため、余剰エネルギーを放出する際の放力板。
眉間の『マスターズ・オーヴ』はアギトのオルタリングに組み込まれている「賢者の石」とほほ同等の物質で構成されている。専用バイクのダークホッパーとの意思疎通を行い、遠隔操作が可能。
全身
全身を包む生体装甲皮膚『ミューテートスキン』はダイヤモンド並みの硬度がある。「賢者の石」が生成した強化外骨格『バイオアーマー』はこれ自体が生命体として自己修復能力を持つ。受けた衝撃を吸収拡散させることで、変身時にかかる圧力を低減させる。
胸部中央のプレート『ワイズマンモノリス』がアンクポイントから発生する「フォース」を全身に効率よく供給し、循環させる。背中の『ライブウィング』は通常身体バランスを司る。アナザーアギトの意思によって変形。滑空するための翼にもなる。
四肢
左肩にはアギトであることを示す『アギトマーク』がある。手首と足首を守る強化外骨格『パワーゴールドアンクレット』は敵のキックやパンチによる衝撃を吸収する。
装備
アンクポイント
変身ベルト。アギトのオルタリングとギルスのメタファクターのように中央部に「賢者の石」から発生される「オルタフォース」によって、変身者である木野薫の全身の筋肉や器官を超人的に強化する。
変身前は体内に分子レベルで拡散しているが、木野の意思によって、腰部に固形化して出現する。アギトと異なりベルト左右にはドラゴンズアイ(2色の秘石)が存在しないため、フォームチェンジ能力は有していない。
バイオクロウ
腕と足に爪状の感覚器官。唯一の武装でギルスクロウのような攻撃時の補助武器になるが、劇中未使用。
敵に突き刺したり、斬りつける攻撃などに使うことも可能。『超全集』によるとオウルロードに肘打ちするシーン等ではバイオクロウが更にダメージを与えているらしい。
ダークホッパー
スペック
全長:2.220m
全幅:0.890m
全高:1.320m
最高時速:390km/h
概要
アナザーアギトの専用マシン。カウル部分のマークが特徴。変身する際に発生するフォースの力で通常のオフロードバイクが変化するバイオマシン。
アナザーアギトの細胞が取り込まれているためタイヤはパンクすることがなく、急な斜面も駆け上がったり、カウル部分のホッパーウィングで滑空可能。バイク自体に意思があり、自律走行も行う。
性能
ダークホッパーの目となるヘッドライト『ダークアイ』は障害物を認識し、突撃の際には目標物をロックオンする。厚さ15m程度の物質を透視し、得た情報をアナザーアギトの脳に伝達する。
フォースによって硬化されたカウル『ダークヘッド』は分子配列レベルで変化しており、多少の衝撃ではびくともしない。10mに達するジャンプ力を生み出す翼『ホッパーウィング』は4枚で構成され、グライダー機能により、自在に滑空できる。
『ホッパーテール』は最高時速で走行する際のバランサー。後方の敵を察知するレーダー機能を持つほか、敵を錯乱する煙幕を張れる。
タイヤ『フォースホイール』にはアナザーアギトの細胞が取り込まれている。80度の急斜面を駆けあがり、絶対にパンクしない。フォースの力で2WDの駆動力を得ている。
『ホッパーハート』はフォースを車体に供給する。アナザーアギトが持つ「賢者の石」から送られたフォースを一時的に蓄積し、管理する。
必殺技
アサルトキック
クラッシャーを展開して足元に出現した紋章のエネルギーを吸収し、片足で飛び蹴りを放つ。破壊力は約40t。
アサルトパンチ
同じく紋章の力を拳に集めて敵に叩き込む。ゴライダーにて初めて使用した。
名称問題
「アナザーアギト」とは商品名で、劇中では呼ばれなかった。この名前が使用される前は「木野アギト」等といった仮称が使われた。放送終了後に受注販売されたフィギュアでは「アナザー仮面ライダーアギト」という名称になっていた。
デザイナーである出渕裕の画稿には『仮面ライダールデス』の名が記されているが、非公式。『仮面戦隊ゴライダー』にて、映像作品としては初めて「アナザーアギト」の呼称が木野本人の口から呼称された。
『仮面ライダージオウ』にて別のアナザーアギトが怪人として登場したため、以降は「仮面ライダーアナザーアギト」が公式名称となった。
ファンの考察
アナザーアギトが作中の人物の目にどう写ったのか、ファンの間では度々議論が行われていた。作中では氷川がアナザーアギトを翔一アギトと見間違えたり、葦原が翔一に「戦え!ヤツの姿に惑わされるな!」と発破をかけていたりする。
これらの描写から「視聴者の視点で見ると翔一アギトと木野アギトの姿が異なるように見えるが、劇中の人物からは同じ姿に見えているのでは?」という考察されていた。
ジオウでの回答
答えは18年後の『仮面ライダージオウ』の公式サイトにて明かされた。「アギトは見る人の心によってその姿を変える」らしい。
アギトを純真な心でヒーローだと思っている氷川には、木野アギトも翔一アギトと同じ姿に見えていたらしい。
なお『ジオウ』に登場したアナザーアギトは『アギト』本編の登場人物からしてもアギトとは明確に異なる容姿をしているようで、真魚はアンノウンのような怪人と評していた。
備考
元々スポンサーの要求には無く、東映側が作りだしたキャラクターである。その為放送当時はソフトビニール人形程度しか玩具が発売されておらず、プレイステーション用の格闘ゲームにも登場しなかった。
腐食が激しかったため、ギルス共々当時のスーツは廃棄されている。そのため長らく再登場はなかった。後に『ゴライダー』にて新造された。
アナザーアギト(真島浩二Ver.)
木野アギトに酷似しているが、装甲やアンクポイント、ライヴウィングなどの形状やカラーリングが異なり、アギト グランドフォームに近くなっている。
本作を収録したムック本『S.I.C. HERO SAGA Vol.4』の解説によると、出現した第1話の時点では「アナザーアギト=木野薫」と強く意識した葦原の視点を反映したことで木野アギトの姿に見えており、ジオラマにも木野アギトが使用されている。
掲載されたスペックは木野アギトと同一だが、これは第2話の真島Ver.ではなく木野アギトに併記したものであるため、真島Ver.の正確な数値は不明。
アナザーアギトバーニングフォーム
スペック
パンチ力:25t
キック力:35t
ジャンプ力:ひと跳び100m
走力:100mを5秒
外見
燃えさかる火炎の力を宿すとされ、全体が赤みを帯びた紫のカラーリングになっている。複眼は赤から黄色に、ワイズマンモノリスは黒から赤に、ライヴウィングは暗い色に変わっている。
6本に増えたアギトホーンの形状は、翔一アギトとは反対に前の2本が短く左右の4本が長い。胸部装甲の形状などシャイニングフォームの要素も含まれている。葦原もその変貌した姿を見て翔一のバーニングフォームを想起している。
戦闘能力
全体的に翔一アギトのバーニングフォームよりもスペックの数値が高い。原型師インタビューによると、真島Ver.はアギト グランドフォームとアナザーアギトの中間値を取ったらしい。
真島Ver.は木野アギトとは違う存在という考えの元、木野アギトはシャイニングフォームに匹敵するので更なるパワーアップは考えにくく、結果として真島Ver.のパワーアップとして思い切ってバーニングフォームを登場させた。
このことから、真島Ver.そのものは能力的には木野アギトに及ばないが進化の余地を残していた、とも考えられる。
バイク
ダークホッパーの外見は同一で、葦原もエンジン音に聞き覚えがありダークホッパーと気づいている。真島Ver.への変身に伴う新たな個体か、木野アギトから受け継がれた同じ個体か、等その関係は不明。
謎
真島はテレビシリーズで自分のアギトの力を葦原に譲ったため、もうアギトにはなれない。エクシードギルスが登場する以上、この設定は受け継がれているはずである。
葦原が正体に気付く際の台詞として、「アギトの能力に覚醒する可能性の高いのは…『あかつき号』に乗っていた人物」という説明はされている。
単純に設定を忘れられていた、10年の間に再び真島の中にアギトの力が芽生えた、最期の瞬間に互いに自覚のないまま木野から力を受け継いでいた、等の理由が考えられるが真相は不明。
劇中の活躍
登場前
15話から登場した榊亜紀をはじめとしたあかつき号事件の被害者たちと陰から連絡を取り、翔一の行動を監視させていた。第14話で手帳に記されていた住居を去る。さらに亜紀には力の覚醒を促進させる実証実験として、翔一に張り付いておくよう指示。
結果として実験は成功するも沢木哲也の介入で完全覚醒を遂げ、涼(=ギルス)をアギトと勘違いの末に追い詰めた北條透への復讐に奔らせ、命を落とす結果となる。
第27話では相良克彦に涼の殺害を指示する。しばらくは残ったメンバーに連絡を取っていたが、途中から音信不通となる。
翔一たちとの出会い
初登場は第35話。アンノウンに追い込まれ危機に陥った真島と葦原の前に現れ、彼らの眼前で変身。そのまま真島を襲ったフィッシュロードを鮮やかに撃滅した。
そこから闇医者として各所から依頼をこなしつつ、“アギト”としてアンノウンの討伐もこなしていく。また涼やG3ユニットの氷川誠に自身の信条を明かし、その高潔さで彼らから尊敬の念を持たれることになる。
同時期にバイクを故障させた翔一とも接触し、この直前にアギトとギルスがアンノウンを撃破する様子を目撃したため、翔一がそのどちらかであると当たりを付けていた。
アギト殲滅
『この世にアギトは自分だけでいい。自分以外に人間を救うアギトは邪魔だ』と考えて行動。真島が力の覚醒の兆候を見せると真島の抹殺に踏み切る。真島が助けを求めた涼がギルスに変身したのを見て、涼も抹殺対象に認定。変身したギルスをアサルトキックを倒す。
木野の魔の手から逃れた真島は、涼の治療法を探して翔一と風谷真魚に協力を求め、市内の病院で手術を受けさせることに成功する。しかし執刀医に木野が呼ばれてしまい、手術室に運ばれた涼を見た木野は涼の暗殺を思い立つ。
腕の疼き
アギトを殺そうとする度、何故か死んだ雅人の腕が移植された右腕に激痛が走り、結果的に誰1人殺すには至らなかった。
手術室にて涼を殺そうとした時も腕が疼き、そのタイミングで涼も目を覚まして手術室から逃亡する。途中、沢木が現れた2人の殺害をやめるよう忠告するも、聞く耳を持たず捜索を続ける。葦原を人質に翔一の変身したアギトを一方的に痛め付けた。
改心
執拗に真島と涼を付け狙うが、沢木の介入で真島の力が涼に譲渡される。アギトとG3-Xの共同戦線を跳ね除け、G3-Xからサブマシンガン(スコーピオン)を奪ってアギトに変身した翔一を変身解除まで追い詰める。
そこで涼がエクシードギルスに覚醒。形成が逆転し圧倒。だが真島の必死の嘆願により生かされる。涼に埠頭から蹴り落とされたあと、彼自身に救出される。
目を覚ました後、涼に自分を救った理由を尋ね彼の甘さを糾弾するが、それでも自分の過去から逃げずに自分を貫こうとする姿勢に、感じ入るものを見出す。木野も自らの過ちに気付き、以降は翔一たちと共闘する道を歩み出した。
奪われるアギトの力
終盤で闇の力によって翔一・涼と共に変身能力を奪われる。翔一は立ち去り、自身も各々が好きに生きればいいと嘯く。ところが、涼が戦う力を失ってなお最後まで翔一を守ろうとする姿勢に強く心を打たれる。
アンノウンに襲われていた葦原と真魚に合流するが、ファルコンロードから真魚を庇い致命傷を負う。駆けつけた翔一るは、人間を水に変えてしまうヘッジホッグロードの針を受ける。木野はその場で麻酔無しの緊急手術を行い、針を摘出。
その際に自身がアギトの力に飲み込まれてしまったこと、そして己の弱さに向き合うことを吐露する。一命を取り留めた翔一は直前まで真魚と仲違いして塞ぎ込んでいたが、真魚と和解して発破をかけられて復活する。
最期
G3-Xを装着して孤軍奮闘する氷川の下に駆けつけた翔一の活躍で変身能力を取り戻す。。3人のアギトによる連続キックでヘッジホッグロードは爆散。オーヴァーロードも姿を消し、ひとまずの戦いは終わりを告げた。
真島は木野のオペを見たことで、医者になる決意を固める。だが木野の肉体は、既にファルコンロードから受けたダメージで限界を迎えていた。弱々しくコーヒーを頼むと、眠るかのように深く椅子に腰掛け、そのまま息を引き取った。
薄れ行く意識の中、木野はある光景を目にする。あの時救う事が出来なかった弟の雅人と一緒に、生きて雪山を下山する光景だった。
本編後の活躍
仮面ライダーディケイド
スーツがないため登場せず。アギトの世界編はメイン3ライダーが登場し、G4も名前のみとはいえ出されたため、唯一触れられなかった。
しかし、ディケイドでのアギトの変身者である芦河ショウイチの特徴として、変身者が渋みのあるおっさん、登場時は何らかの強迫観念や思想に取り付かれ暴走気味、過去に大切な人を傷付け、心に傷を負っているなど共通点が見られる。
仮面戦隊ゴライダー
auビデオパス限定配信の本作にて、16年ぶりに再登場。「医師ライダー1号」にして初の「戦死した(復活しなかった)味方ライダー」であることを踏まえれば納得の人選である。
演じるのは勿論、樋口隆則氏。16年の歳月によって、より深みと渋みを増した樋口氏の名演が光る。当時現役医者ライダーであった仮面ライダーエグゼイド=宝生永夢とも共演。そして駆紋戒斗、剣崎一真、九条貴利矢、湊耀子らと共にゴライダーとなる。
活躍
初めは永夢に不信感を抱き戦うが、すぐに和解。その後は協力して謎の解明に尽力した。最後には永夢と剣崎を救って再び消滅した。
初戦ではエグゼイドを一方的に追い詰める。スペース蜘蛛男の蜘蛛糸に腕を絡め取られても、逆に一本釣りした上でカウンターパンチをブチ込んで撃破。必殺のアサルトキックは仮面ライダーブレイドのライトニングソニックに匹敵するほどの破壊力を見せた。
S.I.C. HERO SAGA
MASKED RIDER AGITΩ EDITION -HEAVEN'S DOOR-
2003年から連載。全6回。第3話から登場する。氷川たちが、不可能犯罪の被害女性と不倫関係にあった男の自宅で妻に聞き取りをしていた際に突然現れた。
夫の不倫に悩み情緒不安定な妻の主治医をしているらしいが、氷川からは「あなたは外科医でしょう!?」と突っ込まれている。それに対して金がもらえれば何でもやるとした上で、そこらの精神科医より優秀という彼の発言には氷川も思わず納得しかけていた。
直後アンノウン出現の一報を聞いて現場に向かい、ドッグロードの素早さに対応するためにダークホッパーに乗った状態で交戦。G3のGA-04 アンタレスのワイヤーが動きを封じたため止めを刺そうとしたが、その瞬間に右腕に激痛が走ってしまい雅人の名を叫んだ。
そのまま間口正一のアギト(変貌前)に倒されてしまうが、事件後に葦原に助けられたことが語られている。ちなみに彼と葦原は変身前のフィギュアも使用されている。
MASKED RIDER GILLS EDITION -仮面ライダーになってしまった男-
2012年連載。全4回。本編から10年が経過し、オートバイ専門の会社で働く葦原の前に正体不明のアナザーアギトが出現。
ギルスレイダーとダークホッパーによるチェイスの末、河原での激闘を繰り広げる。その正体は、アギトの力に覚醒した真島浩二。夢を叶え医者になっていた。
人間ではなくなることに耐えられず、自殺する勇気も無かったという。葦原に葬られようとして戦っていた。次第に理性を失い、『アナザーアギト バーニングフォーム』に変貌。だがギルスがアギトの力を奪うことで解決する。
ゲーム作品
放送当時のPSのゲームでは、制作時期の関係から未登場。『レンジャーズストライク』では「マスクドライダーEXP vol.1」にてSRで収録された。デメリットこそあるものの優秀な基礎スペックに加え、除去とダメージを同時に行う強力な能力を持つ。
『仮面ライダーバトル ガンバライド』
初のSRのSPカードとして登場。相手のミガワリボウギョとオイウチコウゲキを封じる、という非常に強力な効果を持っている。後の『ガンライジング』ではヒーローカード化していない。
『ライダーズレジェンド』
アギト放送中に展開していたTCGのアナザーアギトは、場に出す条件が「木野薫が場に出ている(木野薫が変身する)」というもの。
特殊能力によって満32歳以上のプレイヤーならこの条件を無視して直接場に出すことができる。バランスブレイカーと化したのは言うまでもない。
玩具
『S.I.C.』
2003年にアギト シャイニング/バーニングフォームとセットという形で立体化。弟の右腕を移植したという設定を反映し、腕が非対称になっている。
しかし製造上の都合で素体が通常のアギトと同じであるため、非常にマッシブなアレンジがされたバーニングと比べ貧弱で、原型師のこだわりであった右腕の傷跡も再現されず。
2012年、ギルスのS.I.C.化に合わせて完全新規で造形された。ダークホッパーもギルスレイダーと共にプレバン限定で販売。
その他
ソフビは放送当時に販売されたほぼ唯一の商品。細かい造形が格好いい。S.H.Figuartsは2009年にアギト グランドフォームと同時発売されている。真骨頂化が望まれている。
─────────────────────
以上です。これで紹介を終えます。