今回解説する怪人はン・ダグバ・ゼバです。
「どうしたの? もっと強くなってもっと僕を笑顔にしてよ」
目次
- ン・ダグバ・ゼバ
- スペック等
- 概要
- 性格
- 言語
- ゲゲルの見方
- ン
- グロンギ文字
- 不完全体
- バックル
- 究極体
- 究極の闇
- ディケイドでは
- 戦闘能力
- 特殊能力
- 関連人物
- ラ・バルバ・デ
- ゴ・ガドル・バ
- ズ・ゴオマ・グ
- クウガ(空我)
- ンガミオゼダ
- 備考
- 中の人
- 人気
- 劇中の活躍
- 初登場
- 中間体
- 完全復活
- 究極の闇
- 最終決戦
- 本編外の活躍
- 仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦
- HERO SAGA-DARK SIDE-
- 謎
- 仮面ライダージオウ
- 反響
- ゲーム作品
- バトライド・ウォー
- ガンバライジング
【最終決戦】
「なれたんだね、究極の力を持つ者に」
スペック等
種族:グロンギ族クワガタ種怪人
呼称:未確認生命体:第0号(B群13号)
身長:測定不能
体重:測定不能
能力:物質の原子・分子を自由自在に再構成する力
主なスーツアクター:福沢博文
身長:測定不能
体重:測定不能
能力:物質の原子・分子を自由自在に再構成する力
主なスーツアクター:福沢博文
『仮面ライダークウガ』のラスボス。「白き闇」や「究極の闇をもたらす者(キュグキョブン・ジャリ・ゾ・ロダサグ・ロボ)」と呼ばれるグロンギ最強の存在で王。
人間体は、無邪気な笑みを浮かべ、額に白いタトゥーを持ち、全身を白い服で固めた青年。人間態を演じたのは浦井健治。
先代クウガによって他のグロンギ共々「九郎ヶ岳遺跡」に封印されていたが復活し、その後は他のグロンギを蘇らせて殺人ゲーム「ゲゲル」を行わせた。
他のグロンギ以上に殺しや破壊を遊びと見なす。仲間意識も極めて低く、同族の命を躊躇なく奪う。集団行動などの概念も持たない。後のクロスオーバー作品での客演時にも組織内の上下関係を無視した尊大な態度が目立つ。
戦闘民族〈グロンギ〉の頂点に立つ最強の存在。「究極の闇をもたらす者」とされ、グロンギのゲーム(ゲゲル)とは最終的にダグバと戦い勝利する事で、「ン」のバックルを得る事を目的としている。「ン」は「Ω」、「ゼ」は「全能」を顕し、下位集団とは次元の違う力を有する。
復活当初はグロンギ語を使っていたが、終盤に本格登場してからはほとんど日本語しか話さなかった。人間態の姿でも、自身の存在を感知した緑のクウガにプレッシャーをかけ、極度の消耗により変身を解除させたこともあった。
人間体のビジュアルも現代の標準的なファッションから外れた者が多かった他のグロンギとは異なり、「街角に佇んでいても何の違和感も抱かれない温和そうな少年」といった雰囲気であった。
他のグロンギは個人差はあれど(楽しみながらも)懸命にゲゲルをこなし、ダグバを倒す事を目的としている(その気や自信がないものはゲリザギバス・ゲゲル開始前に申告し、クリアと共にラ=進行役になる)。
ダグバ本人は「ザギバス・ゲゲル(ダグバとのタイマン、勝てば新たな長の就任の宴として大量虐殺=究極の闇が行われる)に来るくらい強い奴なら戦ったら楽しいだろうな」程度にしか思っていない。
グロンギにとって神聖なはずのゲゲルを遊びとしか考えていない。ある意味で、グロンギよりグロンギらしく殺戮を楽しみ、同時にゲゲルを重要視するグロンギらしくない存在。
リント文字の戦士〈クウガ〉を指す文字の角を4本に増やしたもの。実はクウガの文字は元々ダグバを表す文字で、争いを嫌うリントの文化には『戦士』を表す文字がなかった。ダグバとクウガが等しい存在である事を意味する。
そして、ダグバと同じく「究極の闇をもたらす者」とされる黒い戦士を表すリント文字には他の戦士の文字とは違い角が4本あり、完全にダグバと同じである。実際に劇中に於てもダグバがアルティメットフォームを「僕と同じ」と表現している。
復活当初の姿。CVは夏井貴宏。アフロ呼ばわりされるボサボサ髪で声も低かった。暗がりのため判明したのはシルエットのみ。クウガのグローイングフォームに相当するが、この時点で超常の力を持ち圧倒的な戦闘能力を持つ。逃げ惑う夏目教授たち発掘隊や、身を葬ろうとしたゴオマ究極体を返り討ちにし一瞬のうちに殺害した。
古代では完全体にならなかったと言われており、それが古代クウガによる封印と関係するとも考えられる。
ジオラマ小説『HERO SAGA -オデッセイ-』で描かれた古代の戦いにて、遂に全身像が判明した。『仮面ライダーオフィシャルデータファイル』ではイラストが公開された。
ダグバの腹部を飾る黄金の「ン」のバックル。下位集団とは形状が違う。封印が解けて復活した際は破損しており、通常型を身に付けていた。終盤まで破片の回収とヌ・ザジオ・レによる修理が行われていた。
バックルの欠片だけでも凄まじい力を秘めており、ズ・ゴオマ・グは僅かな破片を無理矢理に自らの身体に埋め込み、驚異的なパワーアップを果たした。だが、クウガを遥かに凌ぐ力を得たゴオマでも、不完全体のダグバに瞬殺された。
バックルの欠片だけでも凄まじい力を秘めており、ズ・ゴオマ・グは僅かな破片を無理矢理に自らの身体に埋め込み、驚異的なパワーアップを果たした。だが、クウガを遥かに凌ぐ力を得たゴオマでも、不完全体のダグバに瞬殺された。
黒いクウガに似た姿の神々しい白い怪人。髪はボサボサではなく後頭部から生えている。黄金の装飾が全身に施されている。全能の力を持つ。
人間体は真っ白な服を着た少年だった(声も変更された)。まともな出番は最終決戦だけで、すぐ人間体同士の殴り合いとなったため、その威容を拝めるのはクウガのアルティメットフォームより更に短い2分足らず。
最終盤にて登場した謎の羊皮紙には「次なる段階に進め」と記されており、更には紋章の位置的にガミオからバルバとダグバへと向けられたメッセージとも読み取れる物になっている。
ディケイドでは
仮面ライダーディケイドのクウガの世界では、ダグバとは異なるグロンギの王・ン・ガミオ・ゼダ(企画のみで実現しなかった劇場版仮面ライダークウガに登場予定であった)が登場し、究極の闇を行った。
ガミオは自分が発する黒い煙のようなものに触れ続け意識を失ったリント(人間)をグロンギに変える力、グロンギを吸収して自らのエネルギーに変える力を持っている。
自分が目覚めたことに戸惑い、目覚めることを望んでいなかったようだが、いざ目覚めると自分の使命に従うかのように人々をグロンギに変えて暴れ始めた。 凄まじい力を持ち、わずか3週間でベやズのグロンギ162体を虐殺。封印エネルギーを使わず、単純に力で殺した。そのため死体が爆発せずに残り、これによりグロンギの死体の解剖が可能になった。結果、腹部にクウガのアマダム(霊石)と同質の石が埋まっていることが判明した。
能力が一応設定されている「アルティメットフォーム」に対し、互角である筈のダグバは書かれていない。これは、元々スペックが高過ぎるアルティメットの能力が無限の力の比喩を顕していた為と思われる(書籍によっては測定不能とも)。
『プラズマ発火能力(超自然発火能力)』『瞬間移動』『天候操作』等の超常の力を有する。これはクウガやグロンギが有する物質の分子・原子を分解・再構成する能力〈モーフィングパワー〉が極限にまで高められた結果。
ダグバはそれを直接触れる事無く、しかも制限無し、それも相手の肉体に直接干渉(細胞変化等)するレベルで行う事が出来る。このため、車の運転手を、車自体には傷つけることなく車外から焼き殺すといった殺し方も可能。触れもしないところにいる他人の命を奪える。
関連人物
バラのタトゥの女として現代の人類に呼ばれたグロンギを率いる存在。階級はダグバに匹敵し、海中に没した彼女に唯一表情を曇らせた。一時は姉弟説もあった。
「ゴ」最強の存在。グロンギでは自らに次ぐ力を持つ武人。「ザギバス・ゲゲル」への到達を目前にしてクウガに敗れる。
「ズ」の男。「整理」から逃れるべく、「ン」のベルトの欠片を手に入れ「闇の力」により強化、反逆に転ずるが呆気なく死亡。ダグバの強さをクウガや視聴者に知らしめた。
古代リントが、恐らくはグロンギを元に作り上げた戦士。奇しくもダグバと同じクワガタ(リントの聖なる虫)がモチーフ。同じ霊石により変身しているが故に「究極体」にまで到達した両者は似ていた。
現代のクウガと先代クウガを別人と認識しつつも同一視している節があり、「(クウガが強くなったら)あの時(古代での封印)のお返しをしてやるんだ」と発言。
終盤ではゴの面々と戦う五代の周辺に度々現れては圧倒的な威圧感をもたらしたが、直接手を出そうとはせずただその姿を見つめ続けていた。
『仮面ライダーディケイド』に登場したもう1人の『ン』にしてダグバがもたらす究極の闇そのもの。ジオウではガミオのものと同じカットを流用してダグバが闇を生み出すシーンがある。
備考
『クウガ』はドラマの整合性を計る為に、予め全編を通しての「粗筋」が練られてから製作され、ダグバは当初からラスボスとして設定されていた。その絶望的な強さからライダー怪人最強議論の常連。
『クウガ』は暴力の不必要性を描く為に、敢えて踏み込んだ残酷描写、生々しい暴力を描くと云う演出が取られている。ダクバとの戦い、そしてダグバの存在は「実際に暴力を突き詰めたらどうなるのか」というメッセージが込められている。
暴力や争いを嫌い、泣きながら戦う雄介と、暴力や戦いを楽しみ、笑いながら戦うダグバ。この対比に『仮面ライダークウガ』の物語の本質が詰まっている。
クウガ本編で声を当てていた浦井氏は当時19歳。五代役のオダギリジョーよりも年下だった。演者は彼の性格を「無邪気」としている。
ラストシーンでの五代を演じるオダギリジョーとの殴り合いでは、「本当に殴っている間、楽しくってなにも考えていなかった」と後に語り、最後は本当にダグバになったかのような錯覚を覚えたという。このシーンでは、服の下に30枚ものカイロを使って撮影したとか。
人気
ファンからは「ダグバ様」と呼ばれることもある。圧倒的な強さやデザインなどの要因、更に「最強最後の敵なのに戦闘シーンがただ殴り合うだけ」というインパクトから人気はかなり高い。
2014年に行われたライダー怪人総選挙ではモモタロス、蜘蛛男、ナスカ・ドーパントなどを押しのけて堂々の3位(平成では1位)に輝いた。ちなみに1位はシャドームーン、2位はショッカー戦闘員。
劇中の活躍
EP:1「復活」から登場。夏目教授の率いる九郎ヶ岳遺跡の調査チームが、長野県・九郎ヶ岳遺跡の「戦士の墓」を発掘したために封印が解かれ現代に復活。
自身を封印していた先代クウガの棺を動かす。教授らを殺害した後、手から放つ稲妻状のエネルギー波で封印されていた200体を越える全てのグロンギを復活させた。
ベルトを破壊されたままだったため「中間体」と呼ばれる不完全な姿だった。それでも戦闘能力は凄まじい。
ゴ・バダー・バの死後はゲリザギバスゲゲルが終了するまでの間は、ゲゲルへの参加資格を持たないズ集団以下のグロンギ達162体を「整理」するために日本全国を巡りながら虐殺を繰り返していた。
ダグバのベルトの破片を奪ってパワーアップしたゴオマを殺して、ベルトの破片を取り返す。クウガアルティメットフォームに酷似した「究極体」に変身する。
その後はゴ集団最強3人衆のゲリザギバスゲゲルが始まったのに合わせて彼らやクウガの前に人間体で幾度となく姿を現していた。最後のゴ集団であるゴ・ガドル・バのゲリザギバスゲゲルが失敗したのを見届けると、究極の闇へ動く。
3万人を軽く越える犠牲者を出す。クウガが立ち向かうが、超自然発火能力の前に当時最強だったアメイジングマイティでもあっけなく敗北。ダグバはクウガが自分に等しい究極の存在になるのを待っていたため、五代の敗走を見逃した。
以降も各地で超自然発火能力で人々を殺害。警察が完成させたばかりのレーダーシステムを頼りに、五代は長野県松本市に向かった。そこでは雪の中、大量の人間の死体が燻り転がっていた。
松本市で五代はダグバと対峙する。その後ダグバは姿を消し、五代は九郎ヶ岳に向かう。そこは古代においてクウガに封印された地、そして全てが始まった地。
大ショッカーの幹部の1人としてグロンギ代表の座に就いている。しかし、上下関係の意識皆無な尊大な性格は相変わらずで、他の幹部怪人とは違い彼だけ首領である門矢士に対してやたら偉そうな態度を取っていた。特に目立った出番はなくモブ同然。
本編と同じくグロンギの頭目として登場。かつては常人の肉体を持つ青年だったようだが、“不思議なベルト”を手にしたことで姿が変貌したことが明かされた。
以降は常に破壊衝動と怒りに苛まれるようになり、その感情が極限に達すると異形の肉体に変身する様子。その拳は岩を砕き、蹴りは大地を裂く程だったという。
以降は常に破壊衝動と怒りに苛まれるようになり、その感情が極限に達すると異形の肉体に変身する様子。その拳は岩を砕き、蹴りは大地を裂く程だったという。
一人称が『俺』。破壊衝動に駆られると手慰みに配下を虐殺する。本編の無邪気な残忍性とは方向性の違う、暴君めいた残虐性を持つ青年として描かれている。
配下のグロンギ達は『仲間』とは見なしておらず、秀でた自身に勝手にかしずき、自身の破壊衝動を鎮める為に壊す『道具』としか見ていない。どことなく魔石に憑り付かれているかのような雰囲気だが、詳細は不明。
謎
冒頭、神話のイカロスを思わせる夢を見ていた。自身と等しくなるであろうクウガ=リクとの戦いを渇望しており、何故か不完全体で挑んだ。
リクがリントの村に帰還するまで猶予があったにも関わらず、身近にいたリクの妹ミオを殺害しなかった。
HEROES版
北海道の襟裳岬にて身元不明の人物として病院で保護された。外見年齢は10代から20代くらいの青年で、どこか不気味な雰囲気の純粋さを漂わせている。他のグロンギ同様に十字状の瞳を持つ。
警視庁によれば指名手配犯「Q」に似ているとされるが、記憶喪失で要領を得なかった。海の景色を見ると何かを思い出したらしく、自らを「ン・ダグバ・ゼバ」と名乗った。
人間との関り
あらぶき学園に「瀬馬卓真」の名で入園。園児たちと生活する中で人間の生活を学ぶ。引き続き記憶喪失で、言葉を真似したり、犬の真似をする。ある時、(金を払うという文化を知らないためか)万引きを行い、万引きを咎めたコンビニの店員の殺害を疑われる。
真犯人ははあらぶき学園の職員・正田。施設長を殺そうとした彼に目撃されて殺されそうになるが、発火能力が覚醒。正田を焼き殺し、施設に火災を発生させた。
「LAST:アポカリプス」に登場。クウガライドウォッチが壊れたことにより「ジオウの世界」に現れる。黒い霧で一帯を覆い尽くす究極の闇と思われし現象(元々はガミオの能力だが原典がダグバなため違和感は無い)を起こして暴れまわっていた。
その後、アナザーディケイドが招集したラスボス怪人達と共にソウゴの前に立ちはだかった。グランドジオウが召喚したライダー達と交戦し、圧倒的な力でオーズ・タジャドルコンボを退け、他の怪人たちとの一斉攻撃で変身解除に追い込む。
この際、黒いオーラを纏った格闘や赤黒いビームなど、自然発火能力の応用らしき新技を披露している。しかし直後、ゲイツの死をきっかけにソウゴが仮面ライダーオーマジオウに変身。
絶大なスペックから放たれたクウガの力の前には成す術もなく、巨大な封印を打ち込まれて一撃で爆散した。この時、他のラスボス達も各々の宿敵であるライダーの力で倒されているらしく、『ジオウ』で示してきたルールに則って倒されている模様。
この際、黒いオーラを纏った格闘や赤黒いビームなど、自然発火能力の応用らしき新技を披露している。しかし直後、ゲイツの死をきっかけにソウゴが仮面ライダーオーマジオウに変身。
絶大なスペックから放たれたクウガの力の前には成す術もなく、巨大な封印を打ち込まれて一撃で爆散した。この時、他のラスボス達も各々の宿敵であるライダーの力で倒されているらしく、『ジオウ』で示してきたルールに則って倒されている模様。
時折最強候補に挙げられ人気も高く、ある種の聖域的扱いだったダグバが一撃で倒されるシーンは良くも悪くもファンに凄まじい衝撃を与えた。
黒い霧やタジャドルコンボとの交戦でダグバの強さも描写した上で、原典クウガでも見られないほどの巨大な紋章の演出や、ソウゴ役の奥野氏の壮絶な演技も相まって、オーマジオウの次元が違う強さの演出としてこの上ないと好意的に受け止める声もある。
ゲーム作品
無印よりボスとして登場。声は島﨑信長が担当。威力も高く効果範囲の広い超自然発火能力による爆発攻撃を繰り出してくる。原作の最終決戦を再現した雪原ステージもあり(無印、「Ⅱ」のみ)、クウガで挑むとアルティメットフォームになるといった演出もある。
だが慣れれば攻撃も回避しやすく、ステージにボスひとりだけという短い構成からレベル上げの回転効率も高め。そのためゲーム中でもっとも多く倒されることになるボスであり、同ステージは「ダグバ道場」という俗称で呼ばれる事に。「創生」ではタイマンステージが削除されたので参戦せず。
まさかの参戦で、CVも浦井健治氏である。仮面ライダークウガ20周年を記念して敵キャラとして登場。
─────────────────────
以上です。これで紹介を終えます。