今回解説する仮面ライダーは1型です。
「或人……。夢に向かって、飛べ……!」
目次
- 飛電其雄
- 人間
- 概要
- 役割
- ゼロワンドライバーの開発
- 死亡
- 影響
- 備考
- 中の人
- 仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション
- 登場
- 真意
- 悪意感染
- 対決
- 消滅
- 結末
- 本編
- 助言
- 影響
- 備考
- 仮面ライダー1型 ロッキングホッパー
- スペック
- 概要
- 外見
- 戦闘能力
- 活躍
- 本編での出番
- 装備
- サイクロンライザー
- ロッキングホッパーゼツメライズキー
- 必殺技
- モチーフ
- 栄枯
- 謎
- ファンの予想
特撮テレビドラマ『仮面ライダーゼロワン』の登場人物。仮面ライダー1型の変身者。演じたのは山本耕史。
人間
主人公・飛電或人の父親。1997年7月22日に亡くなった。第15話にて写った飛電家の墓標から判明。彼の妻であり或人の母親だと思われる飛電嘉乃も同日に死亡している。
幼い或人の育ての親の旧世代型ヒューマギア。或人の目標は其雄を笑わせることだったが、AIである其雄は或人のギャグを「面白い」と言いつつも心から笑うことはできず、この点については「何度やっても同じだ」と突き放すような態度だった。
これに対して或人はムキになり、「いつか必ず父さんを笑わせてやる」と心に決め、後にお笑い芸人を目指すきっかけとなる。
役割
飛電インテリジェンスにおけるヒューマギア絡みのプロジェクトの一員。飛電是之助の指示を受けて社長秘書型ヒューマギア・ウィルと共に通信衛星アークのプログラム構築を担当していた。
だが、ウィルは天津核垓がアークにラーニングさせた「人間の悪意」の影響を受けつつあった。これに伴いヒューマギア用の兵器としてフォースライザーの原型と、アークにアーカイブされた絶滅動物の能力を保存したデータ・アクティベイトデバイス「ゼツメライズキー」、そして「アタッシュウェポン」などを其雄と共に開発していた。
ウィルはヒューマギアの地位向上のため、其雄が飛電の社長になるべきと考えていたが、其雄自身はそれには関心がなく、また或人を通じて「人とヒューマギアが共に笑える世界」の道筋を見出していた。
これに伴い、独自に飛電ゼロワンドライバーと、それを用いたライダーシステム「仮面ライダーゼロワン」を設計・完成させ、是之助のもとにデータを送っている。
本編開始の12年前の2007年12月2日、アークの打ち上げに際し、完成していた最初のライダーシステムを用い仮面ライダーに変身。自身は工場の爆発で生じた余波から或人を庇い、冒頭の遺言を残して機能停止した。
アークを打ち上げる宇宙船の自爆プログラムを起動させており、アークは墜落。バックアップも消滅したことで再起動不可能となり、飛電家の墓に葬られた。
この「死」と「遺言」は或人の人格形成に大きな影響を及ぼしており、同時にヒューマギアに対する同族意識や、道具ではなく「種族」としての見方を持つことに繋がっている。
そして「夢に向かって飛べ」という遺言は、或人の新しい会社である飛電製作所の社訓として受け継がれている。運用データの一部は後発の父親型ヒューマギアに引き継がれている。
或人が活躍する現代では、『人工知能特別法』により故人に似せたヒューマギアを本人の許可なく作ることは違法となっている。人間の其雄の遺言に従って製造はされたのか、その辺りの経緯に関しては不明。
本来ヒューマギアにはバックアップが存在し、ヒューマギアのある個体が個別に破壊されても再生できるはずにも関わらず、そういう処置が施されなかったことから、其雄のヒューマギアが作られた後に、この法律が制定されたという可能性もある。
演じる山本氏は、特撮ドラマの出演は本作が初ではあるが、アニメーション作品への出演経験もあり、『明日のナージャ』ではラファエル、『プリキュアオールスターズみんなで歌う♪奇跡の魔法!』ではトラウーマを演じている。
更に山本氏は特撮俳優が多く出ている大河ドラマ・真田丸にて石田三成として出演しており、特撮に出演した俳優が増えることとなった。
其雄の人となりが明かされる。アナザーゼロワンの出現により改変された歴史において、「ある意図」のため暗躍。
改変された2019年の段階ではタイムジャッカーのフィーニスにより、アナザーゼロワンの力を得たウィルが社長である飛電インテリジェンスに属していたが、現状を受け入れているわけでもなく、独自の立ち位置で動いていた。
不安定な飛電ゼロワンドライバーをウィルに奪われ、変身不能となった或人の前に突如現れ、「夢を忘れずに戦え」「戦わなければ、人類は滅亡する」の言葉と共に滅亡迅雷フォースライザーを投げ渡し、姿を消した。
その後、或人はジオウ達と合流。歴史改変を阻止すべく、タイムマジーンで2007年12月2日に移動。ヒューマギア製造工場で暴走した素体たちとの乱戦になるが、そこに変身した状態で出現。001を圧倒し、さらにジオウ、ゲイツ、ウォズをも高速移動で翻弄した。
真意
アークの打ち上げを阻止するため、或人は発射施設に到着。そこで其雄とウィルが口論していた。ウィルはいつまで経ってもヒューマギアが人間の道具扱いであり、その位置を脱せないことを不満に思っており、アナザーライダーの力で是之助を抹殺、飛電を乗っ取り、歴史を変えると言い放つ。
其雄は「そんな世界では、或人は笑えない。俺の夢は、俺が笑い……或人が笑う世界だ。だから力が必要だったんだ。ヒューマギアも人間も守る、“仮面ライダー”の力が」としてウィルを否定。仮面ライダー1型に変身し、001に変身した或人と共にアナザーゼロワンと激突する。
悪意感染
妨害に失敗し、通信衛星アークは打ち上がる。遠隔操作で自爆プログラムを起動しようとするが、達成直前でアナザーゼロワンの攻撃を受けて失敗。
「人間の悪意」による人類絶滅の命令をインストールされ、今度は001に襲い掛かった。或人はこの直後にアナザー1号の乱入とゲイツの助太刀により2019年に帰還する。
改変された2019年において其雄は飛電インテリジェンスの大株主となっており、飛電インテリジェンスに乗り込んだ或人の前に出現。或人を社長と認めるか否かの決議において「俺を超えない限り認めない」と宣言、或人とイズ、シェスタが逃走したことで状況が混乱する。
そんな中で階段で対峙した直後、互いに変身。外で戦闘が始まる。戦いの果てに或人の強さを確かめた其雄は「もう大丈夫だ……或人……」の呟きと共に力を緩めてキックの激突に打ち負け、変身解除された。
消滅
戦いの後、満身創痍の其雄は密かに持ち出していたゼロワンドライバーを或人に渡し、真意を語る。実は其雄はアークのハッキングの影響を受けておらず、自分の意志で1型として戦っていたのだ。
「お前に気付いてほしかった…。お前は、誰の後継者でもない……お前自身の夢に向かって飛ぶ、“新時代の1号”であることを……」と言い残し、最期に一瞬だけ心からの笑みを浮かべ、機能を停止した。
そのやり取りを以て「或人は其雄を超えた」と判断されたのか、シェスタが保留していた新社長の決議案は可決。或人が飛電の社長として認定され、ゼロワンの力を取り戻した。
遺されたロッキングホッパーゼツメライズキーは再びゼロワンとなった或人がアナザー新1号との戦いに使用し、勝利に大きく貢献。そして、フィーニスの撃破により歴史が修正された結果、其雄とロッキングホッパーゼツメライズキーも消滅していった。
第44話にて本編に登場。登場時の詳細は最終話にて描かれた。自身に挑んできたオルトロスバルカンを撃破するが、それでも或人は迷い続けていた。
ゼロツープログライズキーに対して「どうすれば良いのか」と問いかけた際、保存されたゼアの内部領域に接続した或人の前に突如として出現した。
「バックアップデータはデイブレイクで失われた」と語られていたはずなのだが、ゼアが何らかの手段で密かに保存していたのか、もしくはゼアが疑似的に其雄の姿を再現しただけなのかは不明。
少なくとも或人の近況については把握していたようであり、いきなり現れた父の姿に唖然とする或人に対し、其雄は静かに語りだした。
「成長したな、或人。幼いころのお前はただ泣くことしかできなかった……。でも今のお前は心に怒りを宿してる。それは仮面ライダーという力を手に入れ、お前が強くなったからだ。だが忘れるな。本当の強さとは、力が強い事じゃない。心が強い事だ。今のお前ならもう、その意味が分かるはずだ」
『本当の強さ』の意味について語り、或人を諭した其雄は、抱えていた飛電ゼロワンドライバーを託して姿を消した。
我に戻って或人が現実に戻ってくると、飛電ゼロツードライバーがビームエクイッパーで新たなゼロワンドライバーとライジングホッパープログライズキーを生成。これが最終決戦において新たなゼロワンを呼び起こすこととなった。
備考
今までの平成ライダーでは父親ライダーは大抵外道というのが大まかな評価だった。1型の場合は「息子と笑い合える世界」の為に闘い、息子の超えるべき壁として立ちはだかり、息子の未来の為にゼロワンドライバーを開発するという正に父親の鑑と言える活躍を残している。その為、Vシネマ等で1型単体の物語やスピンオフが欲しいという声も多い。
仮面ライダー1型 ロッキングホッパー
カメンライダー!
「変身!」
サイクロンライズ! ロッキングホッパー! Type One.
身長:200.0cm
体重:98.3kg
パンチ力:14.2t
キック力:60.6t
ジャンプ力:ひと跳び68.4m
走力:100mを2.8秒
生物モチーフ:ロッキートビバッタ
体重:98.3kg
パンチ力:14.2t
キック力:60.6t
ジャンプ力:ひと跳び68.4m
走力:100mを2.8秒
生物モチーフ:ロッキートビバッタ
概要
『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』に登場する劇場版限定ライダー。其雄が「サイクロンライザー」と「ロッキングホッパーゼツメライズキー」を用いて変身する。
『ゼロワン』の世界における始まりのライダー。ライダーシステムの原型であると共に、「ゼツメライズキーで変身するヒューマギア」という意味でマギアの原型でもある。
外見
ターコイズブルーの装甲に桃色の複眼、襟元に刻まれた赤いマフラー状のディテール「サイクレッドマフラー」など、旧1号を髣髴とさせる。
滅亡迅雷.netのライダー達と変身シークエンスが似ており、竜巻に包まれた後、ロストモデルを突き破ってアーマーを展開・拘束して変身完了する。
戦闘能力
専用の武器は無し。頑強な駆動系を活かした徒手空拳のみで戦う。スペックは高く、キック力だけならば同じくフォースライザー系列である滅亡迅雷ライダー4人を上回る。サイクレッドマフラー放出される強化粒子により、高速移動が可能。
其雄自身のセンスの高さと実力により、プロトタイプとは思えぬ圧倒的な戦闘力を持つ。また、暴走したヒューマギアを鎮静化させる機能も搭載されている。
活躍
親子決戦では高速移動能力を駆使してのインファイトを繰り広げ、戦闘経験の差なのか001を圧倒する。だが、壁際に追い込んだところで逆に001に腕を掴まれて足を止められる。
「叶えてみせる……!俺の夢を! 父さんを止められるのはただ一人!俺だ!!」と奮起した或人により状況を五分に持ち込まれ、ライダーパンチの押し合いで競り負けたところで互いに跳躍、ライダーキックのぶつかり合いに発展。最後には打ち負けた。
シルエットのみTV本編でも登場。第25話でアークに纏わる過去が語られた際、「其雄が仮面ライダーの力でアークの打ち上げを阻止した」ことが語られており、この時に其雄が変身し、彼と共に失われたと思われる。
装備
1型の変身ベルト。ライダーシステムの原型構造はフォースライザーと変わらず、起動したゼツメライズキーをセットし、強制展開する「サイクロンライズ」によって変身する。
カラーリングは銀と赤であり、1号のベルトであるタイフーンに加え、ゼツメライザーとも共通(待機音もゼツメライザーのものに近い)。待機音の最初には初代『仮面ライダー』のオープニングテーマ『レッツゴー!!ライダーキック』冒頭に酷似した効果音が流れるが、待機音がループしてもこの音は最初だけとなる。
プレミアムバンダイにてDX玩具の発売が決定。2019年12月2日から注文を開始し、翌年の2020年3月発送予定。DX滅亡迅雷フォースライザーの仕様変更品で、キー側音声発動用のピンが延長されたことにより、必殺技の誤作動が無くなっている。
「サイクロンライズ!」の音声はフォースライザーと違って少し遅れるため、鳴ってすぐにプログライズキーの音声が流れる(サイクロンライズの次の短い効果音とキー側の音声が被ってしまう)。
バッタの絶滅種であるロッキートビバッタのデータイメージを保存したゼツメライズキー。ゼツメライズキーではあるが、仕様的にはプログライズキーに近いため、恐らくプログライズキーの原型。
アビリティはプレートに書かれているのは「TYPE:ZETSUMETSU」だが、音声は「ロッキングホッパーズアビリティ!」となっている。ロストモデルの描かれた部分は赤色。起動音声は「カメンライダー」。「Type One.」の音声は変身完了後にこちら側から流れる。
玩具
上記のサイクロンライザーとセットでプレミアムバンダイ限定で受注販売されたDX玩具版では、飛電ゼロワンドライバーに装填すると、「The sole hero of ju ju ju justice! ロッキングホッパー! Kamen Rider will fight to protect humanity. Type One.」の音声が流れる。英訳は「正義のヒーローはただ一人」・「仮面ライダーは人類を守る為に戦う」。
必殺技
ロッキングスパーク
サイクロンライザーのレバーを1回操作して発動。高速移動モードを発動する。この状態になるとサイクレッドマフラーの光が残像となり、さながら赤いマフラーを棚引かせて走っているかのように見える。
ヒューマギア開発工場で暴走したヒューマギア達との戦いに乱入した。また、終盤では001の「ライジングディストピア」と激戦を繰り広げた。
レバーを2回操作して発動。右足にエネルギーを漲らせ、渾身のライダーキックを叩き込む。滅亡迅雷ライダーの原型でもあるためか、発動時には鋼終焉蝗のカットインが入る。001の「ライジングユートピア」との競り合いを見せた。
ゴーストズアビリティ
他のライダー達と違い、ゴゴゴゴーイングゴーストプログライズキーを起動してライダーパンチを放つ技になっている。ゴーストとの共通点は「親子」に関係したライダーである点。
ゴゴゴゴーイングジ・エンド
ガンバライジングで使用。仮面ライダーゴースト オレ魂のデータイメージを保存した「ゴゴゴゴーイングゴーストプログライズキー」を起動、ゴーストを投影してオメガドライブ オレをラーニングし、ダブルライダーキックを放つ。発動時には魂開眼大のカットインが入る。ゴーストと1型、というより或人・其雄との共通点は
- 冬映画で真相が明らかになる
- 冬映画最終盤では父親から受け継いだ力が決め手となる
という点で共通しているだろう。
モデルの「ロッキートビバッタ」は、主にアメリカ合衆国の西部に生息していたバッタの一種。ライジングホッパーのモチーフとされる「サバクトビバッタ」同様に大群を形成し蝗害を引き起こすバッタ。
1875年には51万平方キロメートル(日本の国土のおよそ1.3倍)を覆いつくす超大型の大群が発生している。この大群は推定質量2750万トン、個体数推定12兆5千億匹(2017年の世界人口の1660倍)との説がある。
史上最大の動物の群集としてギネス世界記録に登録されている。しかしこの記録的大発生からわずか四半世紀の間に急速に減少。1902年の目撃例を最後に生存個体は発見されておらず、2014年に絶滅種と認定された。
謎
大繁栄を謳歌していながらこれほどまでに急速に絶滅に向かった生物は珍しく、絶滅の原因は今なお断定されていない。
嵐に飲まれて山の上へ巻き上げられた個体の死骸が堆積している氷河があり(その中にはグラスホッパー氷河というそのまんますぎるネーミングの氷河もある)、そこで発見される状態の良い標本を用いて現在も研究調査が進められている。
ファンの予想
「バッタの絶滅種」としては比較的知名度があり、また外見・生態も現生の近縁種と大きな差はないため、早い段階から「ゼロワンのネガライダー等、何らかの重要な役どころで登場するのでは?」と予想する人が多かった。
ロッキートビバッタも相変異するのであれば、色や変身音からして、「孤独相」モチーフであると考えられる。もしそうなら群生相モチーフなライジングホッパーとは対になっていると言える。
─────────────────────
以上です。これで紹介を終えます。