今回解説する怪人はシャドームーンです。
「ハッハッハ……仮面ライダー、いやブラックサン! 私と戦い、キングストーンを渡すのだ!」
目次
- シャドームーン
- スペック
- 概要
- 外見
- 目的
- 描写
- 戦闘能力
- 『RX』での活躍
- 装備
- シャドーチャージャー
- サタンサーベル
- シャドーセイバー
- 特殊能力
- 主な技
- ダークライダーの系譜
- 仮面ライダー?
- 秋月信彦
- 概要
- 出番
- 劇中の活躍
- 『仮面ライダーBLACK』
- 改造手術
- 誕生
- 初対面
- 敗北
- 最終決戦
- 最期
- 『仮面ライダーBLACK RX』
- 復活
- 最後に至る活躍
- 評価
- 初期構想
- 萬画版
- その後
- 『仮面ライダーディケイド』のシャドームーン
- 月影ノブヒコ
- 概要
- 正体
- 変身
- 戦闘能力
- 劇中の活躍
- 大首領の椅子
- 詰めの甘さ
- 最期
- 中の人
- 漫画版
- グレイトバトル フルブラスト
- 客演での活躍
- 映画『仮面ライダーワールド』
- ネットムービー 仮面ライダーディケイド オールライダー対しにがみ博士
- オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー
- 劇場版 仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦
- 劇場版 仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z
- 漫画作品
- 漫画『宇宙の11 仮面ライダー銀河大戦』
- 漫画・OVA 仮面ライダーSD
- 漫画版 仮面ライダーZO(青木たかお版)
- 立体化
- S.H.Figuarts
- S.I.C.シリーズ
- 派生キャラクター
- アナザーRX
- アナザーシャドームーン
- レッドシャドームーン
- バトライドウォーでの描写
- 仮面ライダー3Dバトル
- ゲーム作品
- ガンバライド
- ガンバライジング
- 正義の系譜
- ヒーロー戦記
- 初対面
- 最後
- ロストヒーローズ
- ロストヒーローズ2
- 戦闘能力
シャドームーン
『仮面ライダーBLACK』の登場人物。「次期創世王」ともっぱら自称し、創世王に対して一切敬語を用いずに会話していた。一人称はずっと「私」を用いていたが、第50話の途中から「俺」になる。CVはてらそままさき。
スペック
身長:197・4cm
体重:90kg
ジャンプ力:40m
水中での活動時間:60分
体重:90kg
ジャンプ力:40m
水中での活動時間:60分
※物理攻撃のスペックに関する正確な数値は不明だが、リ・イマジ版に限った話ではパンチ力5t、キック力7tとされている。
概要
主人公・南光太郎の親友・秋月信彦が暗黒結社ゴルゴムの手によって改造された姿。完全復活は第35話。ゴルゴムの後継者たる宿命を背負う「もう一人の世紀王」。ライダー最強の宿敵として南光太郎の前に立ちはだかる。
キングストーンの片割れである「月の石」を体内に持つ銀色の戦士。サブタイトル等では「地獄王子」、「影の王子」等の異称もある。
外見
BLACKの黒い部分と銀の部分が逆転したような配色。生物的なブラックサンに対して金属・無機質的、黒に対する銀、赤に対する緑とBLACKのアンチテーゼ的なデザイン。
レッグトリガーは歩くたびに飛蝗の脚のようなパーツが立ち上がることで「カショッ…カショッ…」と特徴的な足音が鳴る。
聴覚的な印象を強く与え、放送当時は視聴者達のトラウマになる程恐れられていた。一方でアクションの邪魔になることから、アクションシーンではレッグトリガーが外されることもあった。
目的
ゴルゴムの支配者・創世王から「太陽の石」を授かった世紀王ブラックサン(=仮面ライダーBLACK)と対になる存在。この二人を戦い合わせ、勝った方が次期創世王となる。
作中では世紀王の宿命に従い、ブラックサンを抹殺せんと襲い掛かる。また人類の滅亡とゴルゴム帝国設立のため活動する。
描写
改造される前の記憶はあるが、秋月信彦としての人格は消失している。冷酷無比な性格だが、妹の秋月杏子と恋人であった紀田克美への愛情だけは若干残っており、彼女たちに直接危害を加える行動は避けている。
変身機能は創世王に操作されており、BLACKのように自分の意思で変身解除して信彦の姿に戻ることは不可能。第47話のみ創世王が強制的に信彦の姿に戻した。
戦闘能力
強化改造の為に基本性能は若干BLACKを上回る。ただし、BLACK本編では戦闘経験の蓄積でBLACKに迫られており、正面切っての勝負では苦戦しがち。
両肘の強化装具エルボートリガー、両足の強化装具レッグトリガーがパンチやキックの効果を上げる。エルボートリガーは高速振動によって接触した物体を破砕。相手を切り裂く。
復活時、剣聖ビルゲニアから創世王専用の剣であるサタンサーベルを奪う。ビルセイバーで勝負を挑んだ手負いのビルゲニアを、その場を一歩も動かずに彼の剣を易々と弾き返し、盾とともに一刀両断して退けた。
『RX』での活躍
クライス要塞内では四大隊長の一人であるゲドリアンを軽く退けた。RXとの初戦は事前にRXの戦闘能力をスキャンしていたためメタを張って完封。
怪力無比のロボライダーを羽交い絞めにして動きを封じ、バイオライダーのゲル化をシャドービームの広域放射で周囲を焼き払った。
第27話ではサタンサーベルに代わる新たな武器、シャドーセイバーの二刀流を駆使し再戦。こちらでも激戦を繰り広げるが、敗れてしまう。しかしリボルケインに刺されても即死しなかった。
装備
シャドーチャージャー
シャドームーンの腰に付いているベルトの中心部にある緑色の細胞核。BLACKのベルトと形状が似ているが、こちらは黒を一色、中心のキングストーンが緑色に輝いている。
内部に埋め込まれたキングストーンのエネルギーを増幅させ、全身に送り出すことができるが、シャドームーンの唯一の弱点となる。
サタンサーベル
ゴルゴムに伝わる最強にして唯一の魔剣。金の柄と細身の紅く透き通った刀身が特徴。代々の世紀王にしか使いこなせない。シャドームーンの代名詞的な武器であり、『RX』本編および一部を除く後作ではすべてサタンサーベルを使用している。
力以外に信じるものを持たないシャドームーンの孤独さの象徴でもあり、最終決戦では手放した剣を握らせてくれるようBLACKに懇願し、「それがなくては心細くて地獄にもいけん…」と呟く弱気な一面も見せた。
破壊力
単純な斬撃のみならず、刀身同様の紅いエネルギー刃を飛ばしたり稲妻状の反重力エネルギー帯で相手を拘束して振り回す、光弾の射出、炎や破壊光線、牽引光線を放てる。
高位の怪人であるビルゲニアを盾ごと両断して一刀の下に葬り去り、世紀王であるBLACK、シャドームーンに等しく致命傷を与え、バリアで身を守る創世王を貫いて完全に討ち果たした。
同じ世紀王であるBLACKも使用可能だが、ゴルゴムを壊滅させたのち光太郎の手によって放棄。虚空にて光の粒子に解け、消滅した。
シャドーセイバー
『RX』で復活した際に編み出したシャドームーンの新必殺武器。両肘のエルボートリガーを合わせることで生成する長短二振りの両刃剣で、シャドームーンはこれを攻守に使い分けた二刀流スタイルで戦う。長剣は攻撃用、短剣は防御用として使用される。
黒と銀の柄にサタンサーベルを思わせる赤く透明な刀身を持ち、鍔元にはRXのリボルケイン同様、緑色のタイフーン状の意匠がある。サタンサーベルと比べると純粋な武器に徹した使い方をされており、一振りで岩をも両断。RXのボディをも斬り裂く切れ味を誇る。
性能
全身に纏った強化皮膚『シルバーガード』の硬度はBLACKの強化皮膚・リプラスフォーム以上。緑色の複眼マイティアイは、BLACKのマルチアイの能力に加え、透視能力を備える。
RXで復活を遂げた際は、RXの戦闘を観察することで無敵に無敵を重ねたようなRXのフォームチェンジの短所を見抜き、そのうえで戦術を組み立てた。
その他頭部には電波を発して水中を探るマリンソナー、地中を探索するランドスキャナー、触角状のVアンテナと連動する高性能空中レーダーのスカイレーダーなどを内蔵。起動直後にはこれらのパイロットランプが明滅していた。
特殊能力
神出鬼没の瞬間移動や幽体化しての憑依や人格の乗っ取り、太陽を覆い隠して東京全域を闇に閉ざす天候操作など、キングストーンに由来する多彩かつ強大な超能力を使いこなす。外伝的作品では巨大化、分身、タイムワープも行う。
主な技
シャドーパンチ
肘のエルボートリガーの超振動波による反発力を活かした必殺パンチ。赤熱したエネルギーを拳に集中させて放つ。BLACKのライダーパンチと同等の威力とされる。
一瞬のうちに16発の強力なパンチを打ち込む。拳大のエネルギー弾のみを遠間の敵に撃ち込むこともできる。
シャドーキック
シャドームーン版ライダーキック。レッグトリガーの超振動波とひねりを加えてそろえた両脚で放つ跳び蹴り。発動時は緑色の閃光に足が包まれる。
既に特訓で強化済みだったBLACKのライダーキックと互角以上の威力を持つが、自身への負担も大きい。深いダメージを受けた最終決戦時では光のエフェクトが出ず不発。
シャドーフラッシュ
シャドームーン版キングストーンフラッシュ。BLACKが窮地から脱するために用いるのに対し、シャドームーンは積極的な攻撃手段としても利用する。
死した怪人を亡霊怪人として復活させたり、バトルホッパーの制御を奪ったり、亡霊世界を生み出したり天候を操作した。ビームも発射して敵を攻撃することも可能。
シャドービーム
キングストーンのエネルギーを掌から緑色の稲妻のようにして広域放射するシャドームーンの得意技。照射された地面が赤熱化し大爆発を起こす程の威力がある。
あのバイオライダーにまともなダメージを与えた。敵を捕縛して投げ飛ばしたり、ビシュムを貫いた強力な赤いビーム、拳から発射する黄色の光弾などバリエーションに富む。
ダークライダーの系譜
ショッカーライダーのような偽物ではなく、主人公と全くの同質・同格の戦士としての「悪の仮面ライダー」の開祖とも呼べる存在。
ダークライダーが当然になった近年においても抜きんでた存在感を放つキャラクター。圧倒的な強さと立ち位置、秀逸なデザインから視聴者に強い印象を与えた。2014年度ライダー怪人総選挙では実に1位の座に輝いている。
仮面ライダー?
後の平成のダークライダーと違い仮面ライダーを自称したことは一度も無い。ゲーム「ライダーレボリューション」や仮面ライダー図鑑などのメディアでは仮面ライダーとカウントされていない。
チェイサーとの掛け合いでもシャドームーン自らが否定している。とはいえ、NHKの「全仮面ライダー大投票」では仮面ライダーとしてカウントされている。
秋月信彦
『仮面ライダーBLACK』の登場人物。主人公の南光太郎の幼なじみにして親友。妹に秋月杏子、恋人に紀田克美がいる。演じたのは堀内孝人
概要
秋月家の長男。東星大学理工学部2年生でサッカー部に所属している。光太郎と同じく19年前の日食の日に生まれた創世王候補。秋月家に引き取られた光太郎とはサッカー仲間やバイク仲間にもなる。
19歳のバースデーパーティーの後、光太郎と家に戻ろうとしたところを三神官に連れ去られ、共に暗黒結社ゴルゴムの手で改造を受けさせられた。光太郎と違って脱走できずシャドームーンに変貌。人格が失われてしまう。
「仮面ライダーBlackRX」で死してようやく信彦の姿に戻ったが、彼の人格まで戻ったかは不明。(光太郎は戻ったと推測している)
出番
バッタ男は当然スーツアクターが入り、シャドームーンと化してからは変身したままで、声も別人が務めたため、演じた堀内氏は回想シーンや47話以外での出番が全く無い。
これはBLACKと同時期に堀内氏が日テレの『あぶない刑事』(舘ひろし・柴田恭兵主演の刑事ドラマ)にレギュラー出演しており、そちらとのスケジュールの兼ね合いと思われる。
劇中の活躍
仮面ライダーBLACK
改造手術
元々はブラックサンと同様、バッタの改造人間になるはずだった。しかし、手術中だった三神官と、乱入してきた信彦の父・秋月総一郎がもみ合う。弾みで光太郎は床に落ちたが、線に絡まった信彦は切れた線の電流を浴びて感電。
大ダメージを負った信彦は光太郎と違って脱出できず、バッタ男にされた。また長期に渡り、生命維持カプセルの中で不完全なバッタ男のまま治療。生命エネルギーが枯渇して衰弱死しかかるなど三神官の肝を冷やす事態も頻発していた。
誕生
世紀王として名乗りを上げる剣聖ビルゲニアの登場にも立場を脅かされる。創世王自身、シャドームーンが満足いく後継者として完成を見なければ、ビルゲニアを世紀王の代役に立てることも考えていた。
三神官が力の源であるパワーストーン天、地、海の石のエネルギーを注ぎ込まれることで、シャドームーンは完全復活を遂げる。メカニカルな意匠が多いシャドームーンの姿はイレギュラーな強化フォームともいえる。
初対面
物語が3クールに突入してから参戦。ビルゲニアを倒した後、光太郎の前に姿を現し、宣戦布告。ゴルゴムの存在を公とし、大規模な破壊活動を伴う侵略に乗り出す。ゴルゴム怪人や、自らが分け与えた力により、凶暴性を増した大怪人に変化した三神官を指揮する。
劇場版第2作目ではBLACKと直接対決。BLACKがロードセクターを亡霊世界に封印され、動揺していたBLACKを圧倒する。BLACKがロードセクターを奪還すると、戦闘を中断して撤退した。
敗北
BLACKの手で怪人と作戦を潰されていきながらも、気付けば、日本そのものがゴルゴムの手中に落ち、多くの国民が諸外国に亡命したことで街はゴーストタウン化していた。
BLACKは信彦の救出を諦め、シャドームーンの殺害を決心。実戦経験の差で優勢に立ち回るが、創生王の手で一時的に信彦の姿に戻されたシャドームーンを倒せず、隙を衝かれて敗れる。
BLACKからキングストーンを奪おうとするが、BLACKが光太郎の姿に戻ると同様。直後、BLACKの遺体は谷へ転落した後、海に消えていった。
最終決戦
クジラ怪人の手で復活したBLACKとの再戦では、自身も創世王の力を分け与えられ大幅にパワーアップ。バトルホッパーを奪って、BLACKを追い詰める。しかし、BLACKのキングストーンフラッシュによって正気を取り戻したバトルホッパーの特攻で重傷を負う。
ライダーパンチ、キックの連打を受け、キック合戦にも敗北。それでも戦う意思を捨てず、ゴルゴム神殿にて決戦。サタンサーベルの斬撃をベルトのシャドーチャージャーに受けて倒れる。
最期
「それ(サタンンサーベル)がないと心細くて地獄にもいけん…」と弱った声で懇願し、受け取るや否やBLACKの喉元にサタンサーベルの切っ先を突き付けた。しかしBLACKの喉を貫くことはかなわず力尽きる。
「勝ったなどと思うな。お前は一生苦しむことになるんだ。親友の···この、信彦を抹殺したんだからな···一生後悔して生きていくんだ···」と恨み言を残して力尽きた。
その後BLACKが創世王を倒すためサタンサーベルを召喚。シャドームーンは「ブラックサン…南光太郎…!」と呟きながらサタンサーベルを手放し意識を失う。創世王の死に応じて崩壊する神殿に埋もれていった。
『仮面ライダーBLACK RX』
復活
ゴルゴム戦役から約半年後、記憶を失って復活。RXが戦っていたクライシス帝国の前線指揮官・ジャーク将軍と会見した時には全身にサビが浮いた亡霊のようなたたずまいであり、口調もドスが利いてすさんだ雰囲気を増している。
「正々堂々の勝負でライダーを倒す」というシンプルな行動原理のみが残る武人的なキャラクターに性質が変化した。光太郎のこともBLACK時代の「ブラックサン」から「仮面ライダーBLACK RX」と律儀に呼んでいる。
最期に至る活躍
RXとの初戦ではスペック差やブランクを感じさせない異常な強さを発揮。だがクライシス帝国の隊長連の妨害によりトドメには至らず。この際、光太郎からはその圧倒的な強さから「単身でクライシス帝国に並ぶ強敵」と認識された。
第27話で再戦。激闘の末、RXのリボルケインを再度キングストーンに受けたことで敗北を認める。生ある限り何度でもライダーに勝負を挑むことを宣言する。
既に突き止めていたクライシスの卑劣な計画の全貌をRXに伝え、その阻止を任せた上で自身はクライシスに人質にされた子供達を救い、力尽きた。光太郎に抱き抱えられたその亡骸は人間・信彦の姿に戻っていた。
評価
何の伏線もない唐突な登場であり、無闇なテコ入れとして当時は批判されていた。一方、正統派ライバル然とした高潔な一騎打ちやRXを認めたうえで改心、最期に人間の心を取り戻したラストからこの回を以て仮面ライダーBLACK真の最終回であると後年再評価が進んでいる。なおRX時点で信彦役だった堀内孝仁氏が俳優を引退しているため別人が顔が写らないように担当している。
初期構想
この2シリーズの放送当時、「途中で信彦としての心を取り戻し、BLACKと共闘する」という構想もあったとの事だが却下されて模様。
当時のコミカライズではクライマックスで信彦の意識が目覚め、人々を救うための宇宙船の操縦を光太郎に任せて、単身で マリバロン以外の幹部もろともクライス要塞を爆破。 マリバロンとRXの最終決戦にも「光」の形で現れRXを蘇らせている。
萬画版
Blackと同じ黒いバッタ人間であり、シャドームーンと呼称されることはない。光太郎がゴルゴム基地から脱出した際の爆発に紛れて同じように脱出したと語り秋月家に帰還する。
当初は光太郎と協力関係にあったが、実は接触した時点で既に世界の王となる欲望に負けていた。奈良で変身した際に光太郎への殺意をむき出しにした。ゴルゴムの計画により光太郎とネパールで戦わされそうになるが、阻止される。
その後
トランシルヴァニアでは光太郎と共闘したが、光太郎が姿を消してから戻ってくるまでの7年間の間に魔王として、世界支配の陰謀を巡らす。1999年の御台場でBlackと対峙し、賢者の石の力をぶつけ合いに敗れ、首から下を吹き飛ばされて敗北。
「俺が死ねばお前が世界の王になる」と言い残して海に沈んだ。怪人による支配後も生かそうとしていたTV版とは異なり、杏子の死には全く心を動かしておらず、脳改造に関係なく人の心を捨ててしまったという一層救えないキャラクターとして描かれている。
『仮面ライダーディケイド』のシャドームーン
『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』に登場。「ディケイドの世界」で門矢士の妹・小夜を世話していた執事・月影ノブヒコが変身する。オリジナルと異なり「創世王」を名乗る。
月影ノブヒコ
「士さん……? 今までどこに?」
概要
演じたのは大浦龍宇一。門矢士の実家にて執事を務めている。士が消息を絶ってからは、士の妹の門矢小夜の世話を引き受けており、彼女からは大層慕われている。
性格は穏やかな外見を裏切らず、非常に理知的とまさに紳士で、記憶を失った士も月影に早々に信頼を寄せる程。
正体
創世王シャドームーンであった。かつては大首領の士に仕える立場であったが、その実、彼を利用して並行世界を繋げ、尚且つディケイドの力で邪魔な無数の並行世界を守護する仮面ライダーの抹殺を図った。
裏で自分を置き去りにして自由に世界を渡り歩く士に怨みを募らせていた小夜の心の闇を煽って共謀。士を大首領の座から追い落とそうと企む陰険な策略家であり、謀反によって大ショッカーの頂点に立った。
変身
自分の意志でシャドームーンに変身したり戻ったりできる。月影が変身の意を示すと、腹部にベルトが出現。同時に月影の周囲に白銀の装甲が現れる。
月影の身を覆うように装甲が自動的に装着(カブト系ライダーのプットオンの要領)される。歴代のシャドームーンで初めて“変身カット”が作られた。
戦闘力
本家と同じくサタンサーベルによる剣術で戦う。他の幹部を差し置いて大首領の座に登り詰めただけあり、その力は絶大で、ライジングアルティメットとディケイドのタッグを易々と退ける程。
特に前者は数値上のスペック差は圧倒的にシャドームーンが劣っており、戦闘技術の高さが見て取れる。だが、颯爽と現れた通りすがりの仮面ライダーWのハーフチェンジには対応できなかった。
Wに負けた理由は大ショッカーがWの存在(及び世界)を認知していなかったため。ライダートーナメントで事前に分析できていていたディケイドやクウガとは異なり、Wに関してはデータが一切無かった。
劇中の活躍
大首領の椅子
士に「世界の崩壊を食い止めるには全ての仮面ライダーを戦い合わせ、最強の一人を決めるしかない」と進言。全パラレルワールドを巻き込んでの大規模なライダーバトルを開催。勝ち抜いたのは士だった。
その後、記憶を取り戻し大ショッカーの大首領の座に返り咲いた士から光 夏海や小野寺ユウスケといった旅の仲間達を引き離す。
ライダーが全滅すると士を切り捨て、自らが大ショッカーの首領の椅子にのし上がる。さらに地獄大使や死神博士と共に大ショッカーの怪人軍団を扇動し、「ディケイドの世界」の日本を征服するための同時多発テロを行った。
詰めの甘さ
しかし止めを刺さなかったために士は脱走して仲間と落ち合い、大ショッカーにて潜伏活動を行っていたディエンドらと合流。彼へと差し向けられたジャーク将軍率いる追跡部隊を叩きのめす。
更にディケイドの思いと共に並行世界から駆け付けたオールライダーの活躍によりガラガランダ&イカデビルが倒される。
門矢小夜を大神官ビシュムに覚醒させると、ビシュムの地の石の力で小野寺ユウスケをライジングアルティメットに変身させ、ビシュムに操らせた。
最期
ビシュムが士の説得に揺らぐと、無理やり地の石を奪ってクウガを操ろうとする。ところが改心した小夜に地の石破壊され、クウガの洗脳が解かれる。すると自ら変身し、クウガライジングアルメットとディケイドを追い詰める。
だが、突如現れた仮面ライダーWにコテンパンにされた。ヒートメタルのメタルシャフトで大ショッカーの城に張り付けられる。最後はJを除くオールライダーのライダーキックにより、崩壊する大ショッカーの城と運命を共にした。
中の人
大浦氏は役が決まった際に『BLACK』、『RX』、『仮面ライダーワールド』を見て動きを研究。フィギュアをネットで見たりソフビを実際に購入したうえで撮影に臨んだ。ノブヒコの立ち方や動きに反映させたらしい。
BLACKやRXの登場に反応するなどのアドリブを入れようとしたが、監督の金田治から「それはいらない」とNGになってしまった。
漫画版
基本的な立ち位置は同様。RXの光太郎との因縁等のアレンジが加えられ、一瞬だが交戦もした。Wは登場せずディケイドとクウガRUのタッグに完封された。映像本編ほどの戦闘能力は有していない。
最終決戦ではキングダークと同化してオールライダーに襲いかかったが、ジャンボディケイドの前に散っていった。
雑誌媒介用に撮られた特写では仮面ライダーW(サイクロンジョーカー)と仮面ライダーディケイドがタッグを組みシャドームーンと戦っているものがあった。
グレイトバトル フルブラスト
PSPゲーム。本作に登場するシャドームーンは口調が丁寧な敬語であり、BLACK版やRX版ではなく、こちらが人格ベースと思われる。
シャドームーンとの戦闘中にアシストキャラクターの仮面ライダーBLACK RXか仮面ライダーWを使用することで特殊ボーナスがつく小ネタがある。
客演での活躍
映画『仮面ライダーワールド』
全宇宙支配を目論む悪のライダーとして復活。フォッグの三怪人、改造兵士レベル2、サイ怪人の5体を甦らせ、ZOとJの抹殺を目論む。
怪人軍団全滅後は、なんと巨大化して、仮面ライダーJと戦っている。明らかに本編のシャドームーンよりも弱い。
ネットムービー 仮面ライダーディケイド オールライダー対しにがみ博士
大ショッカー幹部として登場。十面鬼ユム・キミルと共に無数の怪人や戦闘員を率いてライダー狩りを行う。オールライダーの協力によりユム・キミルが倒され不利とみると巨大化。
キングダークやイカデビル(こいつも巨大化)と共にビームを撃ちまくりライダーを圧倒。最後は仮面ライダー1号のライダーキックを受け倒された。
オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー
1号~オーズまでの全仮面ライダーが一本の歴史で繋がった世界観において、シャドームーンは大神官ダロムと共に暗黒結社ゴルゴム代表として歴代悪の組織同様にショッカーと大同団結。ただ、同盟を募るショッカー大首領主催の会議ではすべてをダロムに任せて自分は特に発言はしなかった。
BLACK・BLACK RXとの絡みはなし。処刑場ではオーズやNEW電王をビームで吹っ飛ばす活躍を見せ、ライダーたちが復活した後はディケイドと戦った。他の幹部たちと違って死亡描写も無いため生死不明。
劇場版 仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦
ジェネラルシャドウとダブルシャドウというコンビを組み、戦隊ヒーローの粛清を行っていた。最終決戦ではジャーク将軍と組んでBLACK・光戦隊マスクマンと激突。久々に宿敵であるBLACKと対決し、さらにこの時BLACKから「信彦」と呼ばれるという演出もあった。
劇場版 仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z
スペースショッカーの大幹部として登場。レイダーと結託し、魔法の暴走現象を加速度的に進行させていた。幻夢城でのゴーバスターズとの戦いでは、相手が疲弊していたとはいえ三対一でも圧倒した。
最終決戦でも猛威を振るうが、キョウリュウジャーとの戦いの最中、隙を付かれキョウリュウレッドにサタンサーベルを奪われ大ダメージを負い、直後の獣電ブレイブフィニッシュを受け「スーパーヒーローよ、覚えていろー!」と叫んで倒された。
漫画作品
漫画『宇宙の11 仮面ライダー銀河大戦』
マーダー帝国の再生幹部として登場。ただし、黒幕が創世王という事もあって、ゴッド将軍の指揮下で本拠地のマーダー惑星を守る他の組織の幹部達とは別に復活させられる。砂漠の星でサンドスネークを操ってRXと戦うも、図らずも助け合う事になった。
その後はマーダー惑星でもRXと戦うが、アマゾンの活躍で思うようにいかない事を創世王に罵られ、怒って創世王を串刺しにし、RXに勝機を与えてしまう。マーダー帝国崩壊後は再戦を誓って去った。
漫画・OVA 仮面ライダーSD
OVA版ではグランショッカー八鬼衆の一員。ジャーク将軍に仮面ライダーの危険性を忠告した。RXとは幼稚園時代からの宿命のライバルで、サンシャインムーンと呼ばれた。
マイティライダーズ版ではアホの子。BLACKとは共に創世王候補だったがあまりにもバカだったため二人そろって追放された。三輪車にしか乗れずヘルシューターは遠隔操作されている。語尾に「ム~ン」と付ける。
漫画版 仮面ライダーZO(青木たかお版)
ZOおよびRXと対決するが、その正体はよみがえったジャーク将軍だった。
立体化
商品展開・登録の都合で「仮面ライダーシャドームーン」という名称表記が使われる事も多数。一応ソフビ人形シリーズではシャドームーン名義で販売されている。ただ2000年以降は段々そうしたこともなくなっていった。
S.H.Figuarts
商品化希望キャラクター第1位を見事獲得し、フィギュア化された。サタンサーベルとシャドーセイバーの双方が付属しているため、BLACKとRXのどちらと並べても違和感が無い上、造形的も当時としては非常に出来が良かった。
2021年10月30日には真骨彫製法にてリメイクされた。さらに進化したプロポーションや関節の隠し方なども相まって、シャドームーンのフィギュアの決定版ともいうべき代物と化している。先に発売された真骨彫BLACKと並べて遊ぼう。
S.I.C.シリーズ
独特のアレンジを利かせることに定評のあるバンダイのハイターゲットフィギュア。BLACK・RXの次に同一素体を流用したコンパーチブル商品として発売。BLACKのリペイントに当たるバッタ男からシャドームーンへの換装が可能である。
スマートな雰囲気のTV版に比べ、拘束具に見立てた外殻に大剣のようにアレンジされたサタンサーベルとかなり雰囲気はマッシブ。悪の貴公子然としたシャドームーンを期待していたファンからは微妙という評価もある。シャドーセイバーは付属していない。
派生キャラクター
アナザーRX
オリジナル後日談であるジオラマ小説『HERO SAGA -After 0-』に登場。RXをリペイントした白銀のボディと緑の複眼を持った容姿をしている。
なぜかBLACKにしか変身できない光太郎の前に現れる。BLACKの起死回生の一撃で、その殻を破るようにシャドームーンが登場した。正体はシャドームーンの身体を乗っ取ったゴルゴム創世王。
アナザーシャドームーン
初出は同じ。真紅のボディと太陽・月ふたつのキングストーンを両方ベルトに収めた創世王となったシャドームーンを思わせるデザイン。南光太郎のキングストーンを奪ってパワーアップした姿。
秋月信彦の残留思念がそれを阻み、キングストーンを取り戻したRXのリボルクラッシュによって討たれる。それが現実だったのか、光太郎の白昼夢だったのかは謎。
同作品では代々の創世王はすべて同一人物であり、世紀王を戦わせるのは後継者の選出のためではなく、強靭な肉体を持った『器』を選定したうえで創世王がそれを乗っ取り延命することを目的としていたという設定になっている。
銀の装甲を真紅に染め上げた容姿。2012年以降の公式イベントに登場。後にゲーム『仮面ライダーバトライド・ウォー創生』の最終ボスとしても登場。
『HERO SAGA』とは逆に自らを取り込もうとした創世王の力を逆に乗っ取ることで復活を遂げたIFの歴史の存在。その影響で身長も約10m程度に巨大化している。
バトライドウォーでの描写
記憶を喪失したRX時代のシャドームーンとは正反対に、本来持っていた野心がさらに増大。光太郎と対峙しても信彦としてはおろか、ライバル視するそぶりすら見せず「この力があればもはやブラックサンのキングストーンなど必要ない」と結論を下した。
自身の分身である緑色の影のようなシャドームーン軍団をあらゆる時代に送り込み、全ての仮面ライダーを抹殺したうえで全宇宙の支配をもくろむ。
仮面ライダー3Dバトル
「仮面ライダー×スーパー戦隊 Wヒーローウインターカーニバル(2013年12月~2014年1月)」の3Dシアターエリアで公開の『仮面ライダー3Dバトル』にて登場。
無数のシャドームーン軍団を率いており、さらにシャドームーン軍団と合体して巨大化する能力も持つ。
ゲーム作品
ガンバライド
7弾から参戦。7-025LRは悪役としては4-017LR 王蛇に続く2枚目のLRとなる。コウゲキは600と高水準。ヒッサツもコウゲキ共々ライダースキルで上乗せされ、ボウギョも相性が3振りされている。ただしタイリョクだけは他のカードに頼るしかない。シャドームーンの真価は8-053SRで発揮される。
8弾ではSR降格。前弾で課題だった体力への補正も手に入れ、総合力に長けたカードとなった。特に攻撃ベスパ後衛として不動の地位を築いており、撲殺デッキの弱点になりがちな守備補強と攻撃強化を両立。レッドシャドームーンもカード化されている。
ガンバライジング
無印の1弾から参戦。後にナイスドライブ1弾にて復活。ナイスドライブ3弾ではライバルキャンペーン枠に登場。念願のシャドーキックが実装された。
バッチリカイガン2弾ではSRで登場し、久々の高レア収録となった。レッドシャドームーンも参戦。プロモカードで登場した後、ナイスドライブ2弾でSRで筐体排出された。シャドームーンと同キャラ扱いとなっているため、同時に出すことはできない。
正義の系譜
操作不能なNPCとして登場。ヒルカメレオン転生体に捕らわれていたBLACKを救出すると、邪眼の正体が5万年前の世紀王であることを教えた。
邪眼にBLACKで勝利するとエンディングにも登場。自分たちが戦いあう事は避けられない運命であると告げ、何処かへ去っていった。
ヒーロー戦記
ネオ・アクシズの三大幹部としてパプテマス・シロッコおよびヤプールと共に出演。創世王として主にライダー大陸の怪人や幹部をまとめ上げている。
ネオ・アクシズのトップであるアポロン総統に対しては表向き忠誠心を持っているが、彼の深い心は理解していない様子。指令に納得いかなくても忠実に従う。本人曰く「アポロン総統の飼い犬を演じているが、皮肉にもそれは私の理想でもある」という。
初対面
ライダー大陸のロズウェル市でアポロガイストを退けた際、ゼウスのメンバーと初対面。対決には至らなかった。ゼウスのメンバーが戦力アップを図るため各個人で別行動をしている際、アポロン総統の命令で南光太郎を狙い、対決の末に圧倒する。
本人としては南光太郎との決着を望んでいたが、殺してはいけないという命令があったため、とどめを刺せかった。南光太郎からは終始「信彦」と呼ばれていたが、彼は一切それに対して反応せずに「ブラックサン」と呼んでいる。
最期
ラストダンジョンのヘリオス要塞で待ち構えており、バダンを脱走したカイザーグロウを差し向ける。しかし弱点を知られていた南光太郎に倒されるとさすがの彼も驚き、とうとう光太郎の名で呼ぶ。
これには南光太郎も「ようやくオレの名を呼んだな、信彦!」と嬉しそうに返すが、まるで自らに言い聞かせるように「私には過去など無い。私はシャドームーン、創世王だ!」と否定。
最後の戦いを挑まれた。最終的に倒された彼は降参し、アポロン総統がいる限りネオ・アクシズは滅びないことを伝える。
ロストヒーローズ
ストーリーには介入せず、サブクエストのボスとして登場。武器はBLACK時代のサタンサーベルを使っている。それなりに手強い敵ではあるが、シナリオ上は無視しても良い相手でもあるため、残念ながらあまり存在感は無い。
ロストヒーローズ2
本編クリア後の隠しボスとして登場。台詞は無いが「ゲーム上で最強の敵キャラの一角」という、ある意味最高の待遇を与えられた。武器はRX時代のシャドーセイバーを使用。立ち絵は全体にうっすらと黒い影がかかった、凶悪な面構えと化している。
戦闘能力
鬼畜極まりない性能を誇る。状態異常付加の強力な攻撃の数々、登場タイミング相応の凄まじい耐久力、どんどん増える攻撃回数など、味方パーティ全員をレベル99に上げてから挑んでも、戦い方が悪いと全滅に追い込まれる程の強さを誇る。
ただし、本作は「ヒーローラッシュで超必殺技を猛連打」やら「一時的に敵に与えるダメージも敵から受けるダメージも二倍にするスキル」やら「HP1の時に攻撃力が激増するスキルを、能動的に自分のHPを1にする技を持っているキャラに装備させる」やら「ランダム生成ダンジョンでドーピングアイテムをいくらでも稼げる」など、プレイヤー側のインフレも相当に激しいので、対抗手段は十分に揃っている。
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以上です。これで紹介を終えます。